2024-04-02から1日間の記事一覧

国の「指示権」強化 地方分権 後退させるな(2024年4月2日『沖縄タイムス』-「社説」)

自治体に対する国の権限を強化する地方自治法改正案が今月にも国会で審議入りする。 改正案は、大規模な災害や感染症のまん延などによって「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」が起きたことを想定したものだ。 新型コロナ禍で国や自治体の業務が混乱した…

断水経験世代(2024年4月2日『琉球新報』-「金口木舌」)

名護市天仁屋の「ウッカー」と呼ばれる川の真ん中に大きな石が鎮座する。幅82センチ、高さは約40センチ。この石を地域の人々は拝み、大切に守ってきた ▼市の有形文化財にも指定された石の名は「天仁屋のウッカーヌビジュル」。土手側にあったが、一晩で川の…

土地規制区域指定終了 違憲の法律反対し続ける(2024年4月2日『琉球新報』-「社説」

土地利用規制法による区域指定が終了した。2021年3月に同法の概要が初めて報道され、6月に国会で成立して、ここまでわずか3年だ。沖縄では米軍施設17カ所と自衛隊、海上保安庁、離島の合計70カ所が指定された。広大な米軍基地と同居させられ、自衛隊の拡張が…

教科書の大改革(2024年4月2日『熊本日日新聞』-「新生面」)

花盛りの春は変化の季節でもある。新学期が始まる小学校でも、大人の知らないところで大きな変化が起きているのをご存じだろうか。新年度から採用される改訂教科書が、数十年ぶりに大改革されている ▼といっても、教育の中身に関わる話とは違う。国語以外の…

蜜と塩(2024年4月2日『佐賀新聞』-「有明抄」)

花愛(め)づる、いい季節になった。花から花へとミツバチたちもせわしなく飛び交っている。「あれが人間なら、50~60代の女性がスイカを2玉両脇に抱えて駆け回っているようなものです」。養蜂に携わる知人に教えられた。以来、羽音のぬしが身近な誰か…

「かもしれない」の精神(2024年4月2日『中国新聞』-「天風録」)

〈たくさんの「かもしれない」を想像することで、自分にぴったりの言葉や考え方を探していけたらなあ〉。絵本作家のヨシタケシンスケさんが作品に込めているメッセージが「こどもの本総選挙」のサイトに載っていた ▲全国の小学生が今まで読んだ中で一番好き…

水道行政の移管 社会インフラ守る自覚を(2024年4月2日『中国新聞』-「社説」)

上水道の整備や管理の所管がきのう、厚生労働省から国土交通省に移った。 厚労省はコロナ禍で要員不足が目立った感染症対策を強化できるという。国交省は所管してきた下水道事業などと一体整備の利点を強調する。移管の狙いは理解できる。 水道行政は長らく…

やっと寝られる(2024年4月2日『山陽新聞』-「滴一滴」)

つなぐ:西日本豪雨被災地から 訪問看護師・片岡奈津子さん 行政 「やっと元の睡眠時間を取り戻せるようになりました」―。2018年の西日本豪雨の水害で甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区の片岡奈津子さん(48)が言う ▼運営する訪問看護ステーション…

農地の「地域計画」 担い手確保につなげたい(2024年4月2日『山陽新聞』-「社説」)

地域の農業者らが話し合い、目指すべき農地利用の将来像を明確化する「地域計画」の策定期限である来年3月末まで1年を切った。岡山県内の各市町村も策定に取り組んでいるが、進捗(しんちょく)度は市町村によって差があり、全体的には進んでいない状況だ…

水俣病熊本判決/救済への流れに逆行する(2024年4月2日『神戸新聞』-「社説」)

水俣病特別措置法に基づく救済策の対象外となった144人が、国と熊本県、原因企業チッソに損害賠償を求めた訴訟で、熊本地裁が原告全員の請求を棄却する判決を言い渡した。同種訴訟で、昨年9月に大阪地裁が原告全員を水俣病と認めた判決と全く逆の判断と…

伝統である名字の多様性(2024年4月2日『新潟日報』-「日報抄」)

新年度、各種の書類に名前を記入する機会は多い。新入社員の中には印鑑を新調したという人もいるだろう。日本人の名字の数は、10万とも30万とも言われる。世界有数の多さのようだ ▼同じ漢字文化圏でも韓国は二百数十種類しかない。「金」「李」など5大…

新年度スタート(新社会人)に関する社説・コラム(2024年4月2日)

新社会人の君へ/柔軟な発想で社会に新風を(2024年4月2日『福島民友新聞』-「社説」) 何事にも臆することなく挑戦し、長年にわたり社会に漂う閉塞(へいそく)感を打ち破る力になってほしい。 日本経済はいま、大きな転換期を迎えている。1990年…

日米球界の経済格差 発展妨げる内向きの論理(2024年4月2日『福井新聞』-「論説」)

野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本優勝に沸いた昨年に比べれば静かな春である。しかし、ファンの期待に応える熱いプレーをこれから見せてくれるだろう。 プロ野球が開幕した。球界を代表する捕手となった中村悠平…

(2024年4月2日『山形新聞』-「談話室」)

▼▽昨今の政界動向で専ら耳目を集めるのは、自民党の派閥裏金事件だろう。国会議員に還流したカネがどう使われたのかよく分からない、おまけに税金もかからないというのなら、国民に怒りが渦巻くのは当然のことだ。 ▼▽ただし、看過できないことは他にもある。…

宝塚パワハラに関する社説・コラム(2024年4月2日)

宝塚パワハラ 組織風土変えられるか(2024年4月2日『東奥日報』ー「時論」/『茨城新聞・山陰中央新報・佐賀新聞』-「論説」) 宝塚歌劇団の劇団員だった女性が昨年9月に急死した問題で、歌劇団を傘下に持つ阪急阪神ホールディングス(HD)は上級…

踏切の点字指針 社会的弱者守る契機に(2024年4月2日『北海道新聞』-「社説」)

視覚障害者の踏切事故を防ごうと、国土交通省が、道路のバリアフリー指針を改定した。点字ブロックの設置など踏切内の誘導表示の整備の位置づけを「望ましい」から「標準的」に格上げした。 道路管理者である自治体などの積極的対応を促す狙いだ。社会的な弱…

能登地震3カ月に関する社説・コラム(2024年4月2日)

能登地震3カ月 復旧の遅れが目に余る(2024年4月2日『北海道新聞』-「社説」) 能登半島地震の発生から3カ月がたった。しかし被災地は過酷な状況に置かれたままだ。 石川県の避難者は発生直後の約3万4千人から減ったとはいえ、まだ8千人超に上る。 …

開成に入った2年後、息子は死んだ 「なぜ」問い続ける母(2024年4月2日『毎日新聞』)

笑顔の一柳亮さん。母富美子さんはいつもこの写真を持ち歩いている 写真一覧 2006年4月2日。全国屈指の進学校、私立開成中学3年の男子生徒(当時14歳)が東京都北区の自宅マンションから転落し、亡くなった。即死だった。なぜ――。警視庁の捜査でも解明できな…

【死者5人】腎臓・肝臓に異常発生、小林製薬の『紅麹』が招く「食の安全」危機と巨大賠償額(2024年4月2日)

3月22日、会見の冒頭で謝罪する小林製薬の小林章浩社長(写真/産経ビジュアル) “あってはならない”事件が起きてしまった。 「3月22日、医薬品などの大手メーカー『小林製薬』は、製造・販売した紅麹を含むサプリメントが腎機能に異常を生じさせ、死亡事例…

愛子さま 日本赤十字社に“特別扱い”を固辞!職場掃除、コピー機の用紙補充にも意欲(2024年4月2日)

4月1日、愛子さまが日本赤十字社に初出勤 /(C)JMPA 平年よりも遅い開花となった東京都内の桜が色づき始めた4月1日、愛子さまは日本赤十字社(以下、日赤)本社の正面玄関前に立たれていた。かすかに緊張したご様子を見せられながらも、愛子さまのお顔に浮…

冬場はダメ、長距離に向かない、値段が高い…アメリカで進むEV離れ 「もしトラ」なら優遇策撤廃も(2024年4月2日『東京新聞』)

米国の自動車市場で電気自動車(EV)ブームに陰りが見え始めた。充電施設が少ないといった課題が浮き彫りになっているからだ。この冬、寒波で電池切れの車が立ち往生した中西部最大の都市シカゴでEV事情を探った。(米イリノイ州シカゴで、鈴木龍司) 17日、…

極寒のモンゴル抑留、「仲間の命の保証」を訴えたリーダーの過酷な運命… ジャーナリストが機密情報を入手(2024年4月2日『東京新聞』)

飢餓、極寒、重労働によって約5万5000人の旧日本軍の将兵らが死亡した、戦後のソ連によるシベリア抑留。このうち約1万4000人が抑留され、約1700人が異国の土となったモンゴルでの抑留実態はあまり知られていない。ジャーナリストの井手裕彦さん(68)は、モ…

極寒のモンゴル抑留、「仲間の命の保証」を訴えたリーダーの過酷な運命… ジャーナリストが機密情報を入手(2024年4月2日『東京新聞』)

飢餓、極寒、重労働によって約5万5000人の旧日本軍の将兵らが死亡した、戦後のソ連によるシベリア抑留。このうち約1万4000人が抑留され、約1700人が異国の土となったモンゴルでの抑留実態はあまり知られていない。ジャーナリストの井手裕彦さん(68)は、モ…

日銀短観で「人手不足感」が強まった中小企業 経営者は嘆く「大企業が人件費の価格転嫁を認めない」(2024年4月2日『東京新聞』)

日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、景況感を示す最近の業況判断指数(DI)が中小企業では製造業と非製造業ともに悪化した。人手不足が深刻な企業が多い中小では、人件費など高騰するコストを販売価格に転嫁しづらく、今後の景気に暗雲…

「マッチョな漁師になってマグロを取りたい」 地震で能登が変わり果てても18歳は夢を貫く(2024年4月2日『東京新聞』)

「ずっと能登におりたい。大好きだから」。石川県珠洲市の前咲斗(まえ・さくと)さん(18)は、今春の高校卒業後の進路に市内の漁業会社を選んだ。能登半島地震で町は変わり果てても出ていきたいと思ったことは一度もない。「またにぎわいは戻る」。そう信…

有事に防衛拠点とする空港と港、16カ所を選定 つきまとう「標的になる不安」、22カ所は了解せず(2024年4月2日『東京新聞』)

政府は1日、有事の際に自衛隊や海上保安庁が使うことを想定する「特定利用空港・港湾」に、北海道や沖縄など7道県の16カ所を選定した。滑走路の延長や岸壁の増築などで、戦闘機や艦船が利用しやすいように整備・改修する。政府は当初、沖縄や鹿児島などの島…

護憲派の巨頭・樋口陽一さんが次世代を挑発する「なぜ反乱しない」「9条に恥じない国を」【ロングインタビュー】(2024年4月2日『東京新聞』)

<著者は語る> 日本を代表する憲法学者・樋口陽一さんが90歳を前に回顧録『戦後憲法史と並走して 学問・大学・環海往還』を語り下ろした。 今は亡き盟友で、俳優の菅原文太さんや作家の井上ひさしさんとの交遊も交え、焦土から立ち上がった「この国のかたち…

新入学する君へ 広い世界へ踏み出そう(2024年4月2日『東京新聞』-「社説」)

春うらら、新入学の時期です。真新しいかばんに教科書と期待と不安を詰めて、新しい教室に通う君たちを応援するために、今日は人生の先輩2人が若いころに体験した「出合い」を紹介します。 まず1人は岐阜県出身の作家、朝井リョウさん(34)です。 高校時代…

データ提供命令 人権への配慮は十分か(2024年4月2日『東京新聞』-「社説」)

法制審議会(法相の諮問機関)が答申した刑事訴訟法改正要綱に、捜査機関がパソコンなどのデータ提供を罰則付きで命じることができる制度が盛り込まれた。 要綱は捜査から公判まで刑事手続きの電子化が目的で、検察が開示する証拠書類がデジタル化されるなど…

国防意識と幸福度(2024年4月2日『産経新聞』-「産経抄」)

ミャンマー・ネピドーで実施された国軍記念日のパレードで行進する兵士ら(共同) 最近の国際ニュースをチェックしていると、徴兵制をめぐる話題が目立つ。 ▼軍事クーデターから3年余りが過ぎたミャンマーでは国軍が徴兵制を導入すると発表した。国軍は国内…