林官房長官 “引き続き外相としての職務を果たしてほしい”(2024年5月20日『NHKニュース』)

上川外務大臣が、選挙の応援演説で「うまずして何が女性か」などと発言し、その後撤回したことについて、林官房長官は電話で本人から経緯の報告があったことを明らかにするとともに、「引き続き大臣として職務を果たしてもらいたい」と述べました。

上川外務大臣は、18日に静岡市で自身の女性支持者らを集めた集会で、県知事選挙の応援演説を行った際「うまずして何が女性か」などと述べ、19日になって「私の真意と違う形で受け止められる可能性があるという指摘を真摯(しんし)に受け止める」として、発言を撤回しました。

これについて林官房長官20日午前の記者会見で、「上川大臣自身が指摘を真摯に受け止め、発言を撤回されたものと承知しており、それに尽きる。きのう大臣から電話をもらい、会見で述べられた趣旨のことを直接聞いた」と明らかにしました。

そして、記者団が「野党側が大臣としての資質も問われると反発しているが、どう考えるか」と聞いたのに対し、「引き続き外務大臣としての職務をしっかり果たしてもらいたいと考えている」と述べました。

 

山口真由氏「自民党なんだと思う」上川氏「うまずして発言」が口をつき、受け入れられた要因分析(2024年5月20日『日刊スポーツ』)

上川氏は18日の会合で「(知事選出馬に)一歩踏み出していただいたこの方を、私たち女性がうまずして、何が女性でしょうか」と発言。自民推薦候補を新しい知事として、女性有権者の力で「生み出す」という趣旨だったとみられるが、「うまずして、何が女性でしょうか」のくだりは女性の出産を想定させる側面も否めず、上川氏は19日に発言撤回を表明した。

山口氏は、今回の発言報道をめぐって「切り取り」という指摘があることを念頭に「切り取り、揚げ足取り、というのはすごく分かるが、違う思いもわき上がってくる」と述べた。

「上川さんがこの言葉を生み出した『空間』があるのだと思う。自民党女性支持者が集まっていて、その方々は恐らくは多くは結婚して子どもがいる。ここにウケると思って、うめ、それが女性だ、というのを上川さんが政治的なセンスでひねりだしたというのが、自民党なんだと思う」とした上で「そういう強固な支持層に抱えられている限り、トップを変えてもそう簡単には変わらないなというのは、ひしひしと感じてしまう部分もあった」とも述べた。上川氏が各報道機関の世論調査で「次期首相候補」の1人に挙げられていることが念頭にあるとみられる。

番組MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一が「この空間では、これを言ったほうがウケがいいと…」と口にすると、山口氏は「そこの女性たちには、絶対、受けたんだと思う」と述べた。

解説で出演したテレビ朝日政治部官邸キャップの千々岩森生記者は「この発言の後には、拍手が起きている。その場では、多くの方が受け入れたんだろうと思う」と述べた。発言があったのは屋内での集会で、女性支持者ら約100人が出席していた。