国民病ともいわれ、多くの人が悩まされている花粉症。実は犬猫のような動物でも発症している。動物病院の運営などを手掛けるTYL(東京都港区)が犬猫の飼い主にインターネットを介して調査したところ、半数近くがペットの花粉症を知らなかった。
「ペット(動物)も花粉症になることを知っているか」と尋ねると、46・3%が「知らない」と答えた。「今年ペットに花粉症(アレルギー)の症状が出たか」と聞くと、59・8%が「出ていない」、15・0%が「わからない」と答えたが、TYLの担当者は「飼い主が気づいていないケースも少なくない」と指摘する。
「症状が出た」と答えたのは25・2%。その回答者に具体的な症状を複数回答で聞くと、くしゃみ(74・1%)▽鼻水(63・0%)▽目の異常(36・1%)▽肌荒れ(25・0%)▽せき(13・0%)――の順に。人間と同じような症状が並んだ。
調査対象の全員に症状が出た際の対策を聞くと「動物病院を受診する」は60・3%だった。病院ではアレルギー検査ができ、内服薬や目薬を処方する対症療法が一般的だという。
ペットの花粉症対策について、TYL取締役の獣医師、藤野洋氏は「アレルギー物質に接触させない」ことを挙げる。「散歩中に体についた(花粉などの)アレルゲンをそのままにせず、拭き取るようにするとよい」と助言している。
調査は3月に実施し、428人の回答をまとめた。【嶋田夕子】