自民裏金調査「一番知りたいところが隠蔽」 野党が重ねて追及(2024年2月21日『毎日新聞』)

 衆院予算委員会は21日、立憲民主党など野党の議員が質問に立ち、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡る問題を重ねて追及した。

 「一番知りたいところが隠蔽(いんぺい)されている」。立憲の後藤祐一氏は、自民が15日に公表した聞き取り調査結果を取り上げ、具体的な聞き取り内容が匿名となっていることなどを内容が不十分だと批判。自民党安倍派「5人衆」の萩生田光一政調会長らが記者会見などで明らかにしている内容も盛り込まれていないと問題視した。さらに、政党から政治家個人に支出される「政策活動費」については、「これだけ問題になっているのに一言も触れていない」と指摘した。

 答弁に立った林芳正官房長官は「何をどこまで記述するのか、申し上げる立場にない」などと述べ、具体的な回答を避けた。後藤氏は、調査結果で、裏金の不記載を認識していた議員が11人、議員本人が管理していたとした議員が12人いたことを踏まえ、議員本人が政治資金規正法違反に問われる可能性が高いのではないかとも迫ったが、松本剛明総務相は「具体的な事実関係を承知する立場にない」などと述べるにとどめた。

 立憲の山岸一生氏は、事件を巡り自民議員を国税当局が税務調査すべきだとの意見が世論調査で多数を占めたと指摘し、「政倫審(政治倫理審査会)で議員それぞれが納税の意思を表明し、表明しなければ調査に入る。これが一番早道だ」と述べた。

 日本維新の会の藤田文武幹事長は21日の記者会見で、政倫審を公開するよう求めたうえで「(裏金をめぐり)どのような指示があり、いつ始まったか明らかにするのが大事だ」とした。【樋口淳也】