自民党は前日の13日、党所属の全ての国会議員らを対象に実施したアンケートの結果を公表した。しかし、アンケートには裏金の使い道や事件が発生した経緯を尋ねる設問はなく、野党は「極めて不十分」「やったふり」との批判を強めている。
◆16:22 「派閥は政策集団、本当か」
自民党が再発防止策として派閥を巡る「お金と人事から完全に決別」を掲げたことに、古川氏は「お金や人事と関係ない派閥なんてなかった」と述べ、「お金と人事から切り離すのなら、全く違う政党となる。総理はそれを目指しているのか」と切り込んだ。
岸田文雄首相は「党を支えていた派閥の機能がなくなる。だからこそ党のガバナンスを改めて考えないといけない」として、党の政治刷新本部で、ガバナンスについて「未来に向けた議論を進めなくてはならない」と答えた。
◆15:55 「裏金は選挙のためじゃないのか」
共産党の塩川鉄也氏は、自民党の参院議員たちの政治資金収支報告書の不記載額を示したパネルを掲げながら、参院選のある年だけ他の年よりも突出して多いことを指摘。「政治資金パーティー収入の裏金は選挙のために使ったのではないか」と追及した。
岸田文雄首相は「いちいち確認していないが、この(パネルの)通りの数字であれば、確かに選挙の年が他の年より多いという実態はあるかと思う」と答弁した。
塩川氏は「2カ月以上議論されているのに、(実態解明が)これからの話ばかりでは納得できない」と語気を強めた。
塩川氏は1998年に3億円余りにとどまっていた自民党派閥の政治資金パーティーの収入が、99年には13億円以上に急増していたことも紹介。同時期に派閥への企業団体献金が法律で禁止された経緯に触れ、「抜け穴としてパーティーが活用され、裏金づくりが始まったのではないか」とたたみかけた。
岸田首相は「政治資金パーティーの金額が増えた背景について指摘があった。いまいちど確認したい」と答えた一方で、「自民党の政策判断は(企業団体の)献金に左右されるものではない」とも主張。企業団体献金の禁止を求める塩川氏に応じなかった。
◆15:35 「判で押したような答弁」と手を振り上げ
美延氏は「総理は各党各会派で十分、議論してくださいと、判で押したような答弁を繰り返していますが、政治とカネの話、自民党以外のほとんどの会派で合意しています」と語気を強め、「総理がいますぐ『やる』といえばできます。総理どうですか」と手を振り上げた。
岸田首相は、淡々と同じような答弁を繰り返した。「(自民党として)自らできること、具体的な取り組みを実行してまいります。あわせて法改正や制度の改正が必要なものについては、各党各会派と議論します。政治資金規正法の改正をはじめ、この国会で結論を出すべく、党として考え方をまとめ、議論を行ってまいります」。
◆14:21 衆院解散問われ「その先のことは…」
岩谷氏は「裏金を認めた議員がいまだにバッジをつけて仕事をしている。有権者がどう思うか想像するべきだ」と指摘。裏金事件の影響で「政治が停滞、行政が停滞、政策が進まない」とも述べ、局面の打開のため「衆議院解散を選択肢として検討する気持ちはあるか」と尋ねた。
岸田首相は、党として信頼回復に努めるという従来の方針を繰り返し、「目の前の課題に専念する、その先のことは何も考えていません」と答弁した。
今後の調査で内容が分かれば、「不明」が修正されることはありうる。しかし、当の細田氏は亡くなっている。
大西氏は最終的に使い道が明らかにならない可能性を指摘した。
◆13:22 説明責任不十分なら「処分も」
午後の質問に立った立憲民主党の本庄知史氏は、直近の世論調査で、自民が裏金事件で説明責任を果たしていないと答えた人が9割近くに上ったことを紹介し、「ここまで低いのは初めて見た。非常事態だと思いますよ」と指摘。「それが国民の声だ」との野次が飛んだ。
本庄氏は、自民が公表したアンケート結果で政治資金収支報告書への不記載・誤記載があった議員ら85人についても追及。
岸田文雄首相に、85人に記者会見で説明させるよう求めた上で、「説明責任を果たしていないと判断した人たちは処分すると明確にしてください」と迫った。
岸田首相は「本人の説明責任の状況を踏まえて判断する」と答弁。本庄氏が真意をさらにただすと、首相は「処分も含めて考える」と答えた。
自民が13日に公表したアンケート結果では、85人の2018~22年の5年間の不記載・誤記載の総額は5億7949万円だった。議員ごとの最多は、二階俊博元幹事長の3526万円。次いで三ツ林裕巳衆院議員の2954万円、萩生田光一・前政務調査会長の2728万円が続いた。
◆11:45 二階元幹事長の書籍代3500万円 使い道は?
午前の審議では、議員側の政治資金の使い道についても、議論になった。
岸田文雄首相は「お尋ねの点については、事情を知る関係者による明確な説明が必要」と述べ、二階氏への問い合わせをしたか、しなかったのかという正面からの回答を避けた。
◆10:50 「甘利氏、35日間で3億8000万円も」
自民党の甘利明前幹事長が2021年、幹事長在任中に「35日間で3億8000万円もの政策活動費を受け取っている」と指摘。「幹事長の在任期間中にこれを使い切ったのか、脱税にならないように年末までに使い切ったのか」とただした。
岸田首相は「仮に(納税を)申告するべきものがあれば申告されているものと認識している」とした上で、政策活動費の使用は「適正」との答弁を続け、詳細な説明を避けた。
さらに井坂氏は、甘利氏の政策活動費を巡る疑惑を報じた中国新聞の記事に言及した。
井坂氏は、甘利氏が受け取った3億8000万円の政策活動費についても「2021年の衆院選で違法な裏金として配られたのではないか」と質問した。
岸田首相は、「報道の中身は承知していない」と述べ、「政策活動費は適正に使われている」との認識を示した。
これに対し、井坂氏が「確認もせずに『大丈夫だと思います』という答弁が通るなら、この予算委員会は政治とカネの問題に用をなさなくなる。確認を」と質問。岸田首相は「法律には触れていないと認識しており、あらためて確認する」と答えた。
◆10:25 政倫審「反対しているのは自民党」
国会には疑惑や法令違反が取り沙汰される議員に説明を求める場として、衆参両院の政治倫理審査会(政倫審)がある。
山井氏は、裏金の実態を明らかにするため「安倍派幹部や二階(俊博)元幹事長を政倫審に出席させて説明をさせるべきではないか」と岸田文雄首相に強く求めた。
岸田首相は、関係者自身の説明を促してきたとした上で、政倫審への出席については「本人の意向等さまざまな観点から、国会としてご判断いただくもの」と述べた。
◆9:54 公明「踏み込んだ説明、強く指示を」
国民に対する説明責任の重要性を強調し、裏金の使い道の説明などが不十分な現状に苦言。岸田文雄首相に「自民党総裁として、疑念を持たれている議員に踏み込んだ説明を尽くすよう強く指示をしていただきたい」と迫った。
岸田首相は「事情を最もよく知る関係者本人が説明責任を尽くすことが重要」と応じたものの、踏み込んだ指示の具体的な言及はなかった。「関係者の説明責任の状況を把握しながら、党としても実態把握に努めなければならないとして、聞き取り(調査)をしてきた。こうしたことを踏まえ、党としての説明責任を果たしていきたい」と従来の説明を繰り返した。
◆9:00 自民「政策研究団体は他党にも」
その上で、派閥などの「政策研究団体」に政治資金規正法上、外部監査が義務付けられていなかったことを問題点として指摘。「政策研究団体は、他党にも存在します。だからこそ、国会の場で義務付けの法改正をわが党としてリードすべきだと思う」と述べた。
岸田文雄首相は「外部監査を共通のルールとして法定化することは、国民の信頼性を高めるという観点から意味がある」と応じた。
◆自民のアンケート結果の概要は
不記載の経緯については「一部の派閥が収支報告書に記載しないよう、議員事務所に指導していた」との記述があったが、すでに安倍派議員らが釈明している内容と同じだ。自民はアンケートと並行して、不記載があった85人と、八つの派閥・グループの責任者への聞き取り調査を実施。週内の結果公表を目指している。