高市早苗氏の勉強会19人出席 派閥解散追い風、積極財政派巻き返し(2024年2月21日『産経新聞』)

高市早苗経済安全保障担当相(春名中撮影)

 

高市早苗経済安全保障担当相を中心とする自民党内の勉強会「『日本のチカラ』研究会」は21日、発足から3回目となる会合を国会内で開き、高市氏を含めて19人が参加した。党総裁選への立候補に必要な推薦人数の20人には届かなかったが、昨年12月の前回会合は大きく上回った。

この日の会合では、安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」に携わった本田悦朗内閣官房参与が経済や金融をテーマに講演した。自民内では安倍氏が一昨年7月に死去し、積極財政派が旗頭を失う中、先月には党財政健全化推進本部が新体制で始動するなど、財政規律派が存在感を示しつつある。

勉強会の会員に名を連ねる中堅議員は「岸田文雄政権の中枢には財務省出身者が多く、その意向が強くなる。今後、物価もジリジリ上がってくるだろうし、そうした動きが続いて世の中が暗くなったら嫌だ」と話し、巻き返しを期す。この日の会合には積極財政派でつくる「責任ある積極財政を推進する議員連盟」に所属する議員も多く参加し、参加者は前回会合の10人からほぼ倍増した。

自民は派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受けて4派閥が解散を決定した。以前は所属派閥に気兼ねし、この勉強会への出席をためらう議員もいたとみられ、「派閥解散で参加しやすくなったのではないか」(出席者)とみる向きがある。次回会合は3月6日に行われる予定だ。(長橋和之)