「東京大空襲」封印が解かれた証言ビデオの公開を拡大 「資料展」2025年は都内5カ所で(2024年5月21日『東京新聞』)

 
 東京大空襲があった3月10日の「東京都平和の日」に合わせて開く「東京空襲資料展」について、都は21日、今年4カ所だった会場数を、来年から5カ所に増やす方針を示した。長い間非公開になっていた大空襲を経験した人たちの証言を記録したビデオの一部が今年公開され、来場者数が大幅に増えていた。
都の平和事業について話し合う委員たち

都の平和事業について話し合う委員たち

 都庁であった「都平和の日記念行事企画検討委員会」で、都が行事案を説明した。案によると、資料展は来年2月下旬~3月中旬に実施。千代田区、世田谷区、多摩市、羽村市の4会場のほか、都庁で来年3月10日に行う記念式典の会場前で証言ビデオを放映する。
 証言ビデオの公開に同意した人は、昨年6月時点で122人だったが、今年3月31日時点で47人増え、169人になったという。都が収録した戦争体験者は全部で330人で、都が接触できた人は179人。担当者は「引き続き当事者に意向確認を行う」とした。
 証言ビデオは「仮称・都平和祈念館」での展示を目的に、都が1990年代に収録。祈念館の建設計画が凍結され、大部分が公開されないままになっていた。
 今年2、3月、池袋の東京芸術劇場三鷹市公会堂、調布市文化会館、都庁の4カ所であった資料展で、承諾が得られた122人分を分けて放映した。4カ所の来場者数は、昨年(2602人)の倍近い5000人超だった。(三宅千智)