◆16日、北陸新幹線延伸に合わせたイベントに出店
加賀と能登で一緒になって頑張りたいと語る山崎里香さん
出店するのは、輪島市河井町で自家焙煎(ばいせん)コーヒー店「Hosi bosi coffee(ホシボシコーヒー)」を営む山崎里香さん(40)。地震で自宅も店舗も被災。現在も断水が続き、営業を再開できていない。「持病がある両親や、子どもの世話に追われ、コーヒーを入れる余裕なんてなかった」。1月下旬、家族で同県加賀市の片山津温泉の旅館に2次避難することになった。
旅館に移り、不自由なく暮らせるようになったが、何かしてもらうばかりの状況に申し訳なさを感じていた。そのとき、偶然出会った市内のカフェ店主に誘われ、2次避難者向けにコーヒーの提供を始めた。豆や道具はその店主らが提供してくれた。「好みを聞き、お客さんに合うコーヒーを出して喜んでもらう楽しさをやっと思い出した」
加賀地域の人や能登からの2次避難者ら多くの人にコーヒーを飲んでほしいと話す山崎里香さん
自分らしさを取り戻した山崎さん。2月22日、輪島に戻り、店舗再開に向けて動き始めた。「加賀の人たちに本当に良くしてもらった」。知人の紹介で3月16日の北陸新幹線の敦賀延伸に合わせ、JR小松駅近くの商店街で開かれるイベント「北国とおり町マーケット」の存在を知った。復興支援のための能登の出店希望者枠に、迷わず手を挙げた。
山崎さんは「加賀の人たちが新幹線の延伸に向け、以前から準備してきたところに能登半島地震が起きた。『加賀と能登は一つ』という思いで、こんなときだからこそ盛り上げたい」と意気込んでいる。マーケットは午前10時から午後5時まで。
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