地震 復旧状況は 被害の全体像は 2か月をデータで【3月1日】(2024年3月2日『NHKニュース』)

能登半島地震の発生から2か月がたちました。
石川県内ではライフラインの復旧は進んでいるのか。
被災地の現状を県の発表などをもとに時系列に読み解きます。
(最新の数字は、一部を除いて3月1日午後2時時点のものです)

【道路の復旧】

 

国土交通省によりますと、道路の緊急復旧は能登半島の主要な幹線道路のうちおよそ9割が1月中旬までに終了したほか、浄水場につながる道路などインフラの復旧に必要な道路についても、2月28日の時点で全体のおよそ8割にあたる35か所で完了したということです。

【死者】

 

あわせて241人の死亡が確認されています。
自治体別では次のようになっています。
珠洲市103人▽輪島市102人▽穴水町20人▽能登町8人▽七尾市5人▽志賀町2人▽羽咋市1人

死者数の推移

 

「災害関連死」の疑い

 

死亡が確認された人のうち「災害関連死」の疑いは、あわせて15人となっています。
1月9日に珠洲市で6人確認され、その後、能登町輪島市でも確認されました。
内閣府によりますと、「災害関連死」は、地震の揺れや津波などによる直接的な被害で亡くなるのではなく、その後の避難生活などで病気が悪化したり、体調を崩したりして命が失われるケースをいいます。

【重軽傷者】

 

重軽傷者は、あわせて1188人が確認されています。

【住宅被害】

 

全壊、半壊、一部損壊の被害を受けた住宅の数です。
県内では7万6824棟が確認されています。
自治体別の内訳です。
七尾市15396棟▽輪島市13079棟▽珠洲市9442棟▽志賀町6412棟▽能登町6179棟▽金沢市6022棟▽穴水町3963棟▽中能登町2983棟▽羽咋市2682棟▽小松市2055棟▽津幡町1636棟▽加賀市1605棟▽かほく市1539棟▽内灘町1421棟▽能美市1051棟▽宝達志水町999棟▽白山市291棟▽野々市市39棟▽川北町19棟
このほか、志賀町では床上浸水が6棟、床下浸水が5棟、確認されています。

住宅の被害把握の推移

 

県や珠洲市によりますと、被害が大きかった珠洲市でこれまで住宅ではない建物を計上していて、2月27日の発表の際にそれを除いたため約4600棟減ったとしています。

【避難】

 

石川県内の市や町が設ける避難所では、あわせて1万1048人が避難生活を余儀なくされています。
自治体別では次のようになっています。
輪島市1950人▽珠洲市1198人▽七尾市673人▽能登町568人▽志賀町497人▽穴水町460人▽内灘町52人▽羽咋市25人▽中能登町19人▽津幡町7人▽かほく市3人
別の市や町から避難して来る人を受け入れる「広域避難所」などに避難している人は、合わせて825人です。
被災者を一時的に受け入れる「1.5次避難所」に避難している人は129人です。

2次避難

 

災害関連死を防ぐとともに、当面の落ち着いた生活環境を確保するため、ホテルや旅館などに移ってもらう「2次避難」。
「2次避難所」に避難している人は合わせて4642人となっています。

【断水】

 

県によりますと、能登半島地震の発生直後、県内で約11万戸で断水が確認され、徐々に復旧作業が進んでいますが、依然として能登地方を中心に約1万8380戸で断水が続いています。
珠洲市ではほぼ全域で断水が続いています。
自治体別では次のようになっています。
輪島市約6400戸▽珠洲市約4650戸▽七尾市約4000戸▽能登町約2880戸▽志賀町約200戸▽内灘町約200戸▽穴水町約50戸
石川県は1日、穴水町志賀町では3月上旬までに、そのほかの市や町でも一部の地域を除いて3月末までには復旧するという見通しを発表しました。
石川県は能登地方では被災した浄水場の機能の回復をおおむね終え、配水管の漏水調査や修繕の作業に入っているとしていて、1日も早い復旧を目指すことにしています。

【停電】

 
グラフのデータは2月28日午後2時時点

北陸電力送配電によりますと石川県の能登地方では1日午前11時時点で約570戸が停電しています。
自治体別では、次のようになっています。
輪島市 約410戸▽珠洲市 約130戸▽能登町 約20戸▽七尾市 約10戸
北陸電力送配電は、停電しているのは土砂崩れなどで立ち入りが困難な場所や、建物が甚大な被害を受けるなど早期の復旧が見通せない地域が多く、交通手段の改善に応じて復旧を進めるとしています。