福山市が高齢者の補聴器に助成金 認知症やフレイルのリスク軽減(2024年2月26日【中国新聞』)

 広島県福山市は2024年度、高齢者の加齢性難聴へ早期に対応して認知症やフレイル(虚弱)のリスクを軽減するため、補聴器の購入費用を助成する。聞こえづらさを理由に外出や対話を控える高齢者の社会参加を促す。市によると、高齢者への補聴器助成は県内の自治体で初めて。

 市は中等度までの難聴者を想定。日常生活に支障が生じ、身体障害者手帳を持たない65歳以上の市民を対象に1人当たり最大2万5千円を助成する。10月からスタートし、年間700人弱の利用を見込む。

 希望者は医師の意見書を持参し、市高齢者支援課、松永、東部、北部、神辺、沼隈、新市のいずれかの支所で申請する。市が事業者に助成金を支払い、申請者は店頭で割引を受ける。市は一般会計当初予算案に850万円を計上した。

 国の補聴器購入への助成は、障害者手帳を持つ高度難聴者が対象で、中等度以下の難聴者の補聴器購入には助成制度がない。市高齢者支援課は「医師への相談や購入を決めるきっかけの一助になれば」と話している。(益田里穂)