えん罪被害者を速やかに救済するため、再審法(刑事訴訟法の再審制度の規定)の早期改正に取り組む「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」の第2回総会が4月9日、衆議院第二議員会館で開催された。
日弁連の再審法改正実現本部長代行を務める鴨志田祐美弁護士らと、逆に消極的な立場にある法務省刑事局の玉本将之・刑事法制管理官らからのヒアリングが主な目的だ。
また、今回の総会で議員連盟の役員全員が決まった。最高顧問には自民党の麻生太郎衆議院議員。顧問には公明党のほか、立憲民主党、日本維新の会、日本共産党、国民民主党、教育無償化を実現する会、社民党、れいわ新選組という7野党の代表が就任した。
つまり、自民党内はまだよく分からないが8与野党は「再審法改正に積極的」という構図を示しているのである。それを示すかのように立憲民主党の泉健太代表が会の始まりにマイクを握り「何とか答えを出していくについては共通の思いはあると思いますので、良い議論をしていきましょう」とあいさつした。
日弁連と法務省の双方の説明を詳しく述べる紙幅はないが、一つだけ紹介したい。袴田巖さんの再審開始を決定した静岡地裁の裁判長だった村山浩昭弁護士が日弁連のメンバーとして、法務省側の証拠開示に関する説明を批判し、「現代の証拠開示制度では(証拠が裁判官に)全部見えるわけではない。一定の範囲に限られている」と厳しく指摘したことだった。
総会後の記者会見で柴山昌彦会長は今回の印象をこう述べた。 「虚心坦懐に聞けば『法務省の説明は腑に落ちなかった。一方、日弁連の説明は腑に落ちた』という印象を持った方がほとんどではないかと思う」
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