旭川いじめ報告書、ネット流出か 非公表部分の黒塗りなし(2024年6月24日『共同通信』)
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旭川中2女子いじめ問題で市教育委員会が当時の市長西川将人氏に説明するために用いた内部文書の写し
 北海道旭川市で2021年、いじめを受けていた中学2年広瀬爽彩さん=当時(14)=が凍死した問題を巡り、市教育委員会が設置した第三者委員会が22年にまとめた調査報告書のうち、非公表とされた部分がマスキング(黒塗り)されていない状態でインターネット上に流出した疑いがあることが24日、市教委への取材で分かった。
 第三者委の報告書とみられる文書が掲載されているのはいじめ撲滅をうたう市民団体のサイト。市教委は公表時、遺族側と協議の上でプライバシーなどに関する部分をマスキングしたが、サイトでは閲覧できる状態となっている。
 市教委によると、処理なしの報告書を持っているのは一部に限られる。担当者は「流出したのかどうかも含めて状況を調査している」と話した。

重大いじめ15件、全て非公開 旭川市、「個人情報」を理由に(2024年4月10日『共同通信』)
 
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旭川市教育委員会が非公開決定を通知した文書
 北海道旭川市の学校で2022年以降、いじめ防止対策推進法に基づき「重大事態」と認定された15件について、共同通信が事案の内容や学校などによる対応の経過が分かる文書類を開示請求したところ、市教育委員会は10日までに全て非公開とする決定をした。「個人情報」を理由とした。専門家から「再発防止のため原則公開するべきだ」との批判が出ている。
 
 重大事態は児童らが生命や心身、財産に被害を受けたり長期欠席したりした疑いのある事案と定義され、自治体などは事態に対処し、同種事案の発生を防ぐため事実関係を調べる。結果について文部科学省は「特段の支障がなければ公表することが望ましい」と指針で明示している。
 
 市教委は今回の15件に事実関係の調査を終えた事案が含まれることを認めた。一方、非開示の理由を「個人情報に当たらない部分を公開したとしても、意義がないと判断した」と説明した。
 
 いじめ問題の調査経験が豊富な池坊短期大の桶谷守学長は「個人情報を明らかにしなくても何が起き、どう対応したのかは公表できる」と指摘した。