小池百合子・現側近が反論「声明はカイロ大の責任」「学歴疑惑、街では関心ない」…告発の小島氏には「当時から悩まされた」「残念です」(2024年6月9日『みんかぶマガジン』)

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村松一希氏
 元環境大臣防衛大臣で、東京都知事小池百合子氏。これまでにカイロ大学の卒業単位をめぐって、「学歴詐称疑惑」が報じられてきた。東京都知事選の実施される今年も、月刊誌「文藝春秋」が、小島敏郎氏(元・『都民ファーストの会』事務総長)が、小池氏のカイロ大学の学歴が詐称されたものだったら、隠蔽工作に加担してしまったという告発をしている。しかし、都民ファの幹部で、これまで小島氏と共に仕事をしてきた村松一希氏が反論するーー。
有権者で学歴問題に関心がある人にあまり出会いません
ーー小池知事の学歴詐称について。
村松都民ファ総務会長)
 地元を歩いていても、有権者でこの問題に関心がある人にあまり出会いませんが、ネットや一部メディアでは盛り上がっているようです。
 一部メディアというのも、新聞やテレビが取り上げることは少なくなりました。それも当然のことのように思います。4年前にもこの問題は報じられたときから、一度も、小池知事がカイロ大を卒業していないという証拠が見つかっていないのですから。
 小池知事が20代の時に得た卒業証書は存在しており、卒業当時からカイロ代の卒業名簿にも「小池百合子」の名前があります。そして4年前にはカイロ大学が改めて、小池知事が卒業していることを声明文として出しました。
論点が、卒業ではなく「卒業実態」があったかにまで変わってしまっている
 カイロ大学の声明文案を小池知事サイドが作成したことをもって「疑惑」と騒いでいるようですが、日本のメディアの事情を知らないカイロ大学に説明し、緊急性を要したので文案を用意しただけのことではないのでしょうか。文案をつくったところで、それを実際に声明文とするかはカイロ大の責任であるわけです。
 最近、小島氏はこのようなことを主張しているようです。
<小島氏は勉強会で居住実態に例えて見解を披露。地方議員は選挙区に居住しているかどうかが被選挙権に関わってくるのだが、「居住実態を調べて実際に住んでいないとその議員は被選挙権がないから失格となる。住民票という書類は真正でも失格。これが日本の公職選挙法」と指摘した。小池氏の卒業証書が真正でも実際に卒業の実態があったかどうかが問われるべきというわけだ>(東スポWEB・2024年5月24日)
 この報道の「卒業証書が真正でも実際に卒業の実態があったかどうか」というところに、この問題の本質があるように思います。もはや、論点が、卒業ではなく「卒業実態」があったかどうかにまで変わってしまっています。
エジプトへの多額ODA拠出に小池知事は関与したのか
 しかし、よく考えてもらいたいのですが、当時、20代の何者でもない日本人に卒業証書を渡すメリットが、カイロ大にあったように私には思えません。もし、環境大臣東京都知事が現役の学生で、カイロ大卒業するしないで困っているなら、政治的な意図が入ってもおかしくないですが、「20代のただの日本人女性」にその「超法規的」判断が入るようにも思えません。私同様に、卒業単位に四苦八苦して、教授の元へ相談をしにいくぐらいのことはあったかもしれませんが……。
ーーエジプトへの多額のODA拠出に小池知事が関与したのではないか、小池知事がエジプトのエージェントではないかという疑惑は。
村松都民ファ総務会長)
 最近では、当時何の権力も持たない、ただの20代の日本人女性だった小池氏を「エジプトのエージェント」にしたのだとか、大学卒の見返りでエジプトにODA予算を送ったのだという報道が罷り通っています。個人的には「陰謀論に近いもの」だと感じます。そうした話にどこまで付き合うというのかという問題もありますが、ODA予算を送った時期は、安倍政権で中国への対抗として、TICADなどアフリカ外交に力を入れていた時期に重なります。安倍政権から干され続けていた当時の小池知事がどこまでその予算に関与できたのか、常識的に考えればいいと思っています。
実現不可能なプランを築地市場の水産仲卸の有志らの前で発言
ーー小島氏はどのような経緯で都民ファの事務総長となったのか。
村松都民ファ総務会長)
 小島氏と小池知事は環境大臣時代に知り合っていましたが、接近したのは知事として初当選した8年前です。当時の小島氏は所属していた青山学院大学と学長を相手に「学長自らがルールを破っていることは看過しがたい」として訴訟を起こし、それが起因となって大学の職を辞した直後のことです。当時、青学側は「教員の学則解釈には重大な誤りがあり、手続きは違法でもなければ無効でもない」としています(詳細は、産経新聞・2015年4月18日)。小島氏にとっては、青学での仕事を失っていたタイミングでした。
 その後、都顧問に就任した小島氏は、「水産市場が築地から豊洲へと移っても、5年後に戻ってくる」という絶対に実現不可能なプランを築地市場の水産仲卸の有志らの前で発言し続けました。都顧問の肩書を持った小島氏が、都とは別に情報発信することに対して、都議会から「混乱をもたらしている」と批判があり、都顧問を辞職(2017年9月19日)し、都民ファーストの会の事務総長に就任することになりました。
スキャンダル報道には悩まされた
 都民ファ事務総長になった小島氏は私たちと一緒に仕事をすることになったのですが、スキャンダル報道には悩まされました。週刊誌新潮(2018年11月1日号)では「不倫手繋ぎデート」が報じられました。記事には<彼は彼女の手を握っていたんですって。いわゆる恋人つなぎでムギュムギュと。怖かったのと、都関係のお偉いさんなので抵抗するのも憚(はばか)られ我慢していたそうですが、彼女は『気持ち悪かった』と嘆いていました>とありますから、当時仲間であったわれわれにも小島氏をかばいようがありませんでした。
 小島氏は、都民ファ職員の中では最高クラスの待遇で、給料面でもずいぶん恵まれていました。しかし都民ファにとって2回目の都議選で、党の議席数が減ったことから財政が悪化し、雇い止めをしました。小島氏は自ら都民ファを辞めたと主張していますが、われわれの見解とは異なっています。
 それでも、私たちと一緒に政策をつくりあげてきた小島氏が告発者となってたのは残念に思います。
 

村松 一希 プロフィール
東京都議会議員練馬区選出)
都民ファーストの会 都政改革委員(練馬区担当)
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昭和56年4月8日生、暁星高校。
中央大学法学部法律学科卒業。
学生のアルバイト(マクドナルド目白通り谷原店)が
きっかけで、日本マクドナルドに就職(リヴィン光が丘店)。
人材育成、店舗運営を学ぶ。
その後、株式会社アイワ徽章を経て、衆議院議員小池ゆりこ事務所にて政治を学ぶ。

 

平成23年 練馬区議会議員初当選。
平成27年 練馬区議会議員選挙2期連続当選。
平成28年 小池百合子都知事を応援したことで自民党を除名処分となり7人の侍と呼ばれる。
平成29年 東京都議会議員選挙初当選
平成30年 公営企業委員会副委員長
     都民ファーストの会東京都議団において「公営企業等の不適正事案を踏まえた東京大改革検証チーム」を立ち上げ事務局長を拝命

令和3年 東京都議会議員選挙2期目当選

令和5年 都民ファーストの会 選挙対策本部長 兼 組織対策本部長

     都民ファーストの会 東京都議団 総務会長

     東京都議会 公営企業委員会 理事

スキー歴

平成12年 アルペンスキー回転種目にてインターハイ出場(東京都代表)
平成13年 全国学岩岳スキー大会アルペン新人戦2位 。
現在は全日本公認スキー指導員として、ジュニアスキー教室の運営に携わり育成に取り組む