小池氏は会見で、過去にも同様の指摘が繰り返されてきたとして「(指摘が)いつも選挙前だ」との認識を示した。その上で、卒業生として依頼され、カイロ大在校生に講演を行ったことに触れつつ、大学側から声明が出たことについて「カイロ大は(指摘が)何度も起こっていることを存じ上げておられる。対応がなされるのは当然のことだ」とした。
東京都の小池百合子知事は19日の定例会見で、月刊誌「文芸春秋」で小池氏のカイロ大卒業の学歴詐称疑惑を告発した元側近の小島敏郎氏が、エジプト大使館が公表した大学長名の卒業証明の声明文作成に小池氏が関与していると主張していることについて、否定した。
「声明文は大学当局の意思で公表された。私自身が関知しているのではない」と主張した。
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小島氏は17日に日本外国特派員協会で会見した際、2020年に同大学長名で出された小池氏の卒業を証明する声明が、駐日エジプト大使館のフェイスブックに掲載された経緯について「小池知事に相談を受け、カイロ大に声明を出してもらったらどうかと提案した」と述べ、その後、小池氏が元ジャーナリストのA氏に「声明文の作成を依頼した」と主張。翌日、小池氏から大学長のサイン入り声明文が送られてきたとして「驚異的な早さだ」「実際には彼女が作成に関わっていた。隠蔽(いんぺい)工作に現職知事が関わったことは重大な問題」などと訴えていた。
これに対し、小池氏は「そもそも認識、大全体が違っている。私はカイロを正式に卒業しているという1点でございます」と、卒業は事実だとあらためて主張した。「それを証明できる唯一の主体はカイロ大が発行している卒業証書、卒業証明書。何度も公表し説明して参った。卒業生として記念講演を依頼され、在校生に講演も行っている」と述べ「カイロ大の卒業証明そのものが信頼できないという話になると『そもそも』論になる。
証明しても何か問題があるのかということは、非常に不可思議だし、欧米の大学でもいろんなケースがあるが、信頼できる、できないで違いが出てくるのかという話になってしまう。エジプトやカイロ大への信頼への違いが出てくるのではないかと、大変危惧している」と訴えた。
「証明書を出すのは大学そのもので、その主体が、私の卒業を証明している。証明の証明という話が、こればかりが続くのはあまりにも理不尽ではないか」と述べ「これがいつも選挙の前ということにも困惑する。なぜこんなに(卒業の是非を)聴いてくるのか、あちらも思っているのではないか」と不快感を示した。
声明文の発出を、小池氏側が大学に依頼したとする小島氏の主張についてあらためて問われると「何度も起きていることは大使館も存じている。(大使館が)対応がなされるのは当然で、それを行っているということだけです」と述べた。
カイロ大に声明を出してもらうよう提案したとする小島氏の主張については「(提案したのは)小島さんだけでありません」と述べ「いつもこのような話になってくることについて、それは大学が証明している、それ以上のことはないですよねということは、いろんな発案を多くの方からいただいている」と主張した。