「小池都政」巡り都議会で知事選の前哨戦…都民ファ・自・公は「称賛」、立・共は「批判」(2024年6月5日『読売新聞』)

 東京都議会第2回定例会は4日、主要5会派の代表質問が行われた。都民ファーストの会公明党自民党が小池知事を評価して続投を求めたのに対し、立憲民主党共産党は知事批判を展開した。各会派は旗幟(きし)を鮮明にさせ、質疑は知事選の前哨戦の様相を呈した。
 知事の任期最後の代表質問のため、各会派は2期8年の小池都政を総括した。
◆成果強調
キャプチャ
知事選を巡って舌戦が繰り広げられた東京都議会代表質問(4日)
 定例会の開会前、知事への出馬要請を行った都民ファは、村松一希都議が質問に立った。「国に先んじた政策を次々に実現した」「子供政策の成果は枚挙にいとまがない」。村松都議は、知事の「成果」を並べ立てて褒めちぎった。「単に批判に終始する方には都政のかじ取りを到底任せられない」と、知事選の対抗馬と目される立民の蓮舫参院議員への批判とも受け取れる発言まで飛び出し、かけ声と怒号で議場が騒然とする場面もあった。
 同様に出馬要請した公明も、知事を支える姿勢を前面に押し出した。伊藤興一都議が、コロナ禍における医療従事者への支援や高校授業料の実質無償化など、会派が要望した政策の実現について、「小池知事のリーダーシップによるものだ」と称賛した。知事の支援を検討している自民の発地(ほっち)易隆都議も、「数多くの政策の種まきに共に取り組んできた」と連携を強調し、小池都政の継続を訴えた。
 対する知事は、正式な出馬表明こそ見送ったものの、取り組んできた政策の進展をしっかりアピール。「明るい未来の東京を切り開くべく、政策の展開に向けてまい進していく」などと3期目への意欲をにじませた。
◆「退くべきだ」
 3会派の質疑が終わり、蓮舫氏を支援する立民、共産が質問に立つと、議場の雰囲気は一変した。
 立民の山口拓都議は、知事のカイロ大卒の学歴に疑義を呈して詳細な説明を要求。そのほか、議会で知事への質問に本人が答えず事務方が答える行為を「答弁拒否だ」と指摘し、批判を展開した。知事は、「(カイロ)大学が卒業を認めている。卒業証明書も公にしている」とこれまでの説明を繰り返したほか、「(質問には)都として丁寧に答えている。答弁拒否の事実はない」と反論した。
 共産の米倉春奈都議は「都民に冷たい小池都政の行き詰まりは明らか」と断じ、「知事から退くべきだ」と迫った。「新しい都知事を誕生させ、暮らしやすい東京をつくる」とも訴えた。