都議会、小池氏へ「前哨戦」の質問 学歴詐称疑惑で証拠求め(2024年6月4日『毎日新聞』)

 小池百合子知事(71)の2期目最後となる都議会定例会は4日、主要会派の代表質問があり、小池氏の都知事選(20日告示、7月7日投開票)への出馬を念頭に、与野党から「前哨戦」ともとれる質問が続いた。小池氏は出馬意向を明言せず、今後の都政運営への決意を問われると、「少子高齢化、物価高騰、エネルギーなどさまざまな議題が先鋭化している。東京の強みを見極め、どう生かすか考え抜き、都政を加速させることが重要だ」と述べるにとどめた。

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 自民党の発地(ほっち)易隆議員の質問に答えた。小池氏は明言は避けつつも3期目への意欲がにじむ内容で、2期8年を振り返って「チルドレンファーストの社会、危機にも揺るがぬ安全・安心な社会の実現に大胆な発想で挑み、国をも動かしてきた」と自負を示した。

 小池氏が特別顧問を務める地域政党都民ファーストの会」の村松一希議員は、都知事選に出馬表明した立憲民主党蓮舫参院議員(56)について「都民の期待はこれから先の東京のビジョンと政策であり、(蓮舫氏による)リセット発言や政治資金を巡る国政の混乱を都政と結びつける政局争いではない」と批判を強めた。

 一方、蓮舫氏が所属する立憲の山口拓議員は、代表質問で小池氏のエジプト・カイロ大卒の「学歴詐称疑惑」に関し、成績証明書など同大で学んだ事実を示す証拠の都議会への提出や入学・卒業の年月の公表を求めたほか、1期目の公約の「介護離職」や「残業」など「七つのゼロ」への認識をただした。

 共産党の米倉春奈議員は、JX通信社の世論調査(5月実施)で、小池氏について「新しい人に交代した方がよい」(42%)が、「小池都政が続くのが望ましい」(24%)を上回った点に触れ「都民に冷たく、財界ファーストの小池都政の行き詰まりは明らか。8年前に期待を集めた『反自民』の姿勢は見る影もない」と批判した。

 定例会は5日に一般質問があり、会期は12日まで。  都知事選にはこれまで広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、元航空幕僚長田母神俊雄氏(75)ら約30人が出馬を表明している。【深津誠】