衆議院憲法審査会が開かれ、大規模災害など緊急事態での国会機能の維持について、自民党が憲法改正の条文案の作成に入るよう重ねて呼びかけたのに対し、立憲民主党は安易に国会議員の任期を延長すべきではないと主張しました。
自民党の中谷元防衛大臣は「緊急事態に国会機能を維持するための条文化について各党間で起草作業を行い、たたき台をもとに論点を深く議論すべきという意見があり、機が熟してきている。大事なのは幅広い会派が協議の場で賛否を含めて国民に論点を明らかにすることだ」と述べました。
立憲民主党の逢坂代表代行は「災害に強い選挙の在り方を十分に検討する必要があり、安易に議員任期の延長を行うのは順序が逆だ。任期を延長する事由などを誰がどう判断するかによって立憲主義を大きく毀損する可能性もある」と述べました。
日本維新の会の三木圭恵氏は「緊急事態における条文案の起草作業に進むべきだという意見に賛成だ。起草委員会を作ること自体に反対するイデオロギーに縛られた政党間の足の引っ張り合いに時間を費やすのは、むだな作業だ」と述べました。
公明党の河西宏一氏は「新型コロナなど大規模な緊急事態に近年直面し、立法府がどう応えていくかが問われている。任期延長の条文案について、たたき台をもとに議論すべき段階を迎えている」と述べました。
共産党の赤嶺政賢氏は「毎週のように憲法審査会が開かれ、改憲議論をあおる主張が繰り返されてきた。9条を変えるべきではないという世論が多数を占める事実を重く受け止めるべきだ」と述べました。
国民民主党の玉木代表は「来週からはすべての会派を入れた起草委員会を設置し、緊急事態における国会機能の維持を可能とする条文案作りに着手することを求めたい」と述べました。