参院憲法審査会は8日、今国会で初の実質的な審議となる自由討議を行った。公明党の西田実仁参院会長は「参院は定数の半数であっても継続性、安定性が現行憲法で確保されており、緊急集会は成立する」と述べ、緊急事態が発生した場合でも参院議員の任期延長は不要と明言した。公明は、衆院憲法審で任期延長に向けた改憲の必要性を主張しており、衆参で党内の意見の不一致が表面化した。
◆「繰り延べ投票ではなぜだめなのか」
西田氏は、選挙の実施が困難な緊急事態時の任期延長に関する議論の充実を求めた上で、「(天災などで期日を延期する)繰り延べ投票ではなぜだめなのか判然としない」と任期延長を疑問視。「民主的な正当性を確保するのには選挙が肝要だ」と指摘した。
自民の佐藤正久氏は8日の自由討議で、憲法で定められた参院の緊急集会を取り上げ、緊急事態対応の改憲に向けて「早急に検討を始めなければならない」と述べた。日本維新の会の片山大介氏は、議論を重ねるために審査会の開催頻度を増やすことを提案した。
【関連記事】法律を守れない国会議員「居座り続けられる」…緊急事態の任期延長、改憲に前向きな5党派が「回答せず」
【関連記事】「裏金」解明は放置のまま「改憲」具体化に走る岸田政権 衆院憲法審査会では「資格ない」「不見識」と批判
【関連記事】「裏金」解明は放置のまま「改憲」具体化に走る岸田政権 衆院憲法審査会では「資格ない」「不見識」と批判