第91回自民党大会で演説する岸田首相=3月17日、東京都内のホテルで
憲法では国会議員の任期を衆院は4年、参院は6年と定める。自民は、戦争や大規模災害で選挙の実施が困難になった場合には任期延長が必要だと主張。ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化に加え、1月に発生した能登半島地震といった災害の備えとして、改憲の必要性を訴える。
4月25日に開かれた衆院本会議(資料写真)
一方、立民の逢坂誠二・野党筆頭幹事は「もっと慎重に多角的に議論すべきだ」と任期延長が立憲主義に反するとの懸念を示した。災害に強い選挙方法の検討が不足しているとして、「とにかく何でもいいから憲法を変えればよいとの議論に思われて仕方がない」と批判する。
首相が改憲に前のめりな姿勢を見せるのとは裏腹に、自民派閥の政治資金パーティー裏金事件は憲法論議にも影響を及ぼしている。衆参両院の憲法審では、事件で党の処分を受けた委員が交代。参院憲法審では、自民の佐藤正久・与党筆頭幹事が「異常かつ異例だ」と記者団に言及する場面もあった。(三輪喜人)