2024年3月、携帯電話を手にするド軍通訳時代の水原一平容疑者
■4月14日 「一生のお願い」-。自分で言うのも何だが、生まれてこの方、このフレーズを結構使った。親にも友達にも、取材対象者にも、まるで決めゼリフのように口にしていた。「それ、この前も言うたやないか」と故・星野仙一さんに、何度も突っ込まれたものだ。
「最後のお願い」「ママにも誓うから」。ドジャースの大谷翔平の口座から不正送金したとして銀行詐欺容疑で訴追された元通訳の水原一平容疑者が日本時間13日、ロサンゼルスの連邦地裁に出廷し、保釈された。告訴状で明らかになったのは、胴元との生々しい、やりとりだった。
「イッピー」と呼ばれ、限度額の増額を求め「最後の-」を連発。2021年9月に初めて違法賭博に手を染め、約218億円の勝ち金に対し、負けた総額は約280億円で損失は約62億円。2年間で1万9000回も賭博を行い、一日平均で25回、金額にして196万円を注ぎ込んでいた。
銀行からの連絡先を自身宛てに変更し、取引が停止されれば本人になりすまして、個人情報に答えてクリア。その結果、不正送金は約24億5000万円以上。代理人事務所には本人の意向として、大谷口座へのアクセスを拒否していた。しかも配当金の振込先は自分の口座だったというから驚きだ。「金欠で時間がほしい」が今年1月の〝泣き〟。一方で「ジェイ・ミン」名義で1000枚の野球カードを購入。大谷カードも含まれていた。約4800万円の代金は翔平マネーで、転売目的だった。発覚後は「俺はもう終わりだ」。映画にしてほしいくらいのジ・エンド。選挙戦と借金の申し込みは一緒。「最後のお願い」ほどアテにならないモノはない。みなさんも、ご注意を-。(稲見誠)