「106億円を熔かした男」275億円負けた水原一平氏に嫉妬?「俺の倍超えちゃってるじゃん」(2024年4月13日『日刊スポーツ』)

水原一平容疑者(2023年撮影)

 

水原一平容疑者が出廷するロサンゼルス連邦地方裁判所に集まった報道陣(撮影・菅敏)

 

「106億円を熔(と)かした男」こと、大王製紙の社長と会長を務め、カジノに自社の資金をつぎ込んで実刑判決を受けた井川意高(もとたか)氏(59)が12日、自身のYouTubeを更新。銀行詐欺容疑で米連邦地検から訴追されたドジャース大谷翔平投手(29)の元通訳、水原一平氏(39)がスポーツ賭博で約1億8300万ドル(約275億円)負けていたとの新事実に耳を疑い、「『オレの倍超えちゃってるじゃん。オレの立場どうなるのよ?』と一瞬、青ざめました」と、肝を冷やしたことを明かした。

実際は、水原氏は1億4200万ドル(約213億円)の勝ちがあり、収支は4100万ドル(約62億円)のマイナス。井川氏は全容を把握すると「(損失は)私の半分をちょっと超えたくらいなので、胸をなで下ろしました」と、本音で喜んだ。自身のカジノ賭博による損失額については「私はあの事件の106億8000万円をシンボルの数字にしていますが、純損失は130億円」と明かした。

そして、「『日本で一番ギャンブルに負けた男』というプライドとブランドがなくなってしまうのではないかと、本当にドッキリしました」と苦笑い。「『2番じゃダメなんですか?』と言われたら、こればかりはダメです」と勝負師らしく負けん気? の強さものぞかせながら、「(水原容疑者に)まだ抜かれなかったことで一安心です」と再びホッとしたような笑みを浮かべた。

井川氏がYouTubeで「緊急動画」と銘打つのは、水原氏の不正送金が発覚した3月21日以来2度目。「日本一ギャンブルに負けた男」を自称するだけに関心が高かったようで、「私も会社からの借り入れはピークで60億円超えていましたが、個人口座からの送金額としては前代未聞の事件」と驚いた。大谷については「連邦検察が潔白を強調してくれたことは一安心」と完全無実を喜んだ。

井川氏は大王製紙創業家に生まれ、筑波大付属駒場中高から東大法学部に進み、大王製紙に入社。42歳で5代目社長に就任も会長時代の10~11年、カジノでの使用目的で子会社7社から総額106億8000万円を借り入れていた事実が発覚。会社法違反(特別背任)の容疑で逮捕され、12年に懲役4年の実刑判決により、16年12月まで服役した。出所後に書いた著書「熔ける 大王製紙会長 井川意高の懺悔録」が累計15万部のベストセラーになり、現在は登録人数22万人超のユーチューバーとしても活動している。