マイナンバーやマイナカードを巡り、インタビューに応じる河村市長
—なぜマイナンバー制度に反対なのか。
「全体主義というか、そういう思想だから。牛(の個体識別番号)は10桁、人は12桁。人間を牛化するわけです」
◆管理に服従する人間をつくる…民主主義と逆行する
―市長が考える制度のリスクとは。
「リスクとして一番でかいのは、管理に服従する人間をつくってしまうこと。民主主義というのは民が主ですから、それに逆行する。カードの利権化も問題。同じように納税していても、カードをつくれば最大2万円分のポイントをくれるというのもどうなのか」
—マイナの利点をどう考えるか。
「にゃあ(ない)と思いますよ。時々、免許証を持っていない人が『身分を証明するものが欲しい』と言いますわね。でもまぁそれも、別に」
◆「保険証とマイナカードを二つ持てばいい」
—政府は今年12月にも紙の保険証を廃止し、マイナカードと一体化させるが。
「国は『マイナカードがあればどこかで倒れても持病や薬が分かって便利』と言うけど、ならカードを常時携帯してなきゃいかん。紙でいいんですよ、今の保険証で。(保険証とマイナカードを)二つ持っとりゃええじゃないですか」
「コンビニ交付は初期投資の1~2億円のほか、維持管理費もかかる。そのお金があれば他のサービスに使えますし。(市民の便利さより)もっと大きなものを守ろうとしてるということですわ」
マイナンバーカードの表面(見本)
◆名古屋市も証明書類のコンビニ交付導入へ
―その名古屋市も26年度のコンビニ交付導入を見据えて24年度予算に約500万円を盛り込んだ。かじを切ったのはなぜか。
―マイナ制度の活用に肯定的になったわけではない。
「いやいや全然反対ですよ。今は役人にとって都合がええだけ。ああいうの(マイナ制度、マイナカード)は早くやめた方がいい」