都合のいい解釈(2024年3月23日『琉球新報』-「金口木舌」)

 多くの人々が犠牲になった沖縄戦。米軍による地上作戦やその前段の空襲などで沖縄は徹底的に破壊された。79年前の3月23日、米軍による上陸前の大規模な空襲が始まった

▼過去に学ぶなら、戦争につながる動きを拒否するはずだが、そうなっていない。政府は「特定利用空港・港湾」という名称で、自衛隊などが民間の空港や港を利用しやすいよう整備をもくろむ
▼戦争では重要なインフラが狙われる。現在もそうだ。ウクライナ侵攻を続けるロシアは空港や港湾はもとより、エネルギー関連施設なども攻撃した
▼軍事利用も可能な「特定利用」の民間施設は攻撃されないかと懸念する声が上がる。沖縄では石垣港、那覇空港が指定見込みだ。政府は各施設の利用は年数回で「攻撃目標とみなされる可能性が高まるとは言えない」と否定する
▼民間人や民間施設への攻撃はジュネーブ条約で禁じられているが、戦場ではいくらでもルールはねじ曲げられる。政府の説