能登地方に春の訪れを告げる「平国祭」が、石川県羽咋市で始まり、神馬と呼ばれる馬や神職の行列が地震からの一日も早い復興を願いながら地域を練り歩きました。

「平国祭」は羽咋市にある気多大社の神が、かつて能登を平定したという言い伝えにちなんで、少なくとも500年ほど前から行われています。

18日は神聖な馬とされる神馬を先頭に、神職や地元の高校を卒業したばかりの若者など、およそ30人が神社を出発しました。

この祭りは「おいで祭り」とも呼ばれ、「寒さも気多(けた)のおいでまで」として、能登に春を告げる風物詩となっていて、沿道の住民たちは行列に手を合わせ春の訪れに感謝していました。

例年、6日間で300キロの道のりを巡りますが、ことしは地震のため立ち寄る場所を減らし日程を2日間に短縮したということです。

行列に参加した18歳の男性は「被災者が1日も早く安心して暮らせるよう願って歩きました」と話していました。

気多大社の三井孝秀宮司は「神社や道路に被害が相次ぐ中、地震が収まるように願い開催しました。みんなで一丸となって復興に向け進んでいきたい」と話していました。