新幹線3月16日から全面禁煙、「時代の流れ」に愛煙家も納得 「隠れたばこ」に懸念も(2024年3月15日『産経新聞』)

 
東海道新幹線の喫煙ルーム(JR東海提供)

 東海道、山陽、九州新幹線の車内に設けられた喫煙ルームが3月16日から廃止され、国内全ての新幹線が全面禁煙となる。車内での喫煙が可能な最後の日である15日、新幹線の利用者からは愛煙家も含め禁煙は仕方ないという反応が相次いだ。トイレでの〝隠れたばこ〟などマナーへの懸念も聞かれた。

 「今日は喫煙ルームを利用したが、明日、大阪に戻るときは我慢しないと」。東京駅でこう話したのは、大阪府寝屋川市の女性会社員(40)。会議などで長時間たばこを吸わないことには慣れているというが「今後、車内で隠れて吸う人が出ないか心配。私たち喫煙者はますます肩身が狭くなるが、だからこそマナーを守らないと」と訴えた。

 静岡市の男性会社員(50)は乗車前にもホームの喫煙ルームを利用する愛煙家。 

 「毎週のように新幹線で東京や大阪を行き来している。必ず喫煙ルームの近くの座席を利用していたので寂しい」と話す。最近は駅構内はもちろん周辺でも喫煙所が減っており、「時代の流れだから仕方ないが、新幹線を降りてからもたばこを吸える場所を探すのが大変になりそう」とため息をついた。

 もちろん、全面禁煙を歓迎する声は多い。新大阪に向かうという埼玉県川口市の女性会社員(50)は「全面禁煙は大歓迎。喫煙者は喫煙ルームから戻ってくるだけで臭う。それがなくなるのは助かる」と喜んだ。

 開業当初の新幹線は喫煙の制限がなかったが、昭和51年に初めて禁煙車が設けられた。その後、喫煙率の低下や受動喫煙への認識の高まりを受けて次第に禁煙車の割合が増加。平成19年に導入された主力の「N700系」は全席禁煙で、たばこを吸えるのはデッキ部分の喫煙ルームだけになった。東北や上越、北陸など他の新幹線では既に全面禁煙が導入されている。

 開業当初の新幹線は喫煙の制限がなかったが、昭和51年に初めて禁煙車が設けられた。その後、喫煙率の低下や受動喫煙への認識の高まりを受けて次第に禁煙車の割合が増加。平成19年に導入され。た主力の「N700系」は全席禁煙で、たばこを吸えるのはデッキ部分の喫煙ルームだけになった。東北や上越、北陸など他の新幹線では既に全面禁煙が導入されている