6日に都内で会見したのは横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の顧問だった相嶋静夫さんの長男などです。
相嶋さんは4年前、社長など2人とともに軍事転用が可能な機械を不正に輸出した疑いで逮捕、起訴され、拘置所での勾留中に見つかったがんで亡くなりました。
その後、無罪に当たるとして刑事補償の手続きが取られました。
長男などは拘置所で適切な検査や治療を受けられなかったため、相嶋さんのがんの発見が遅れ死期が早まったとして、国に1000万円の賠償を求める裁判を起こしていて、国は「必要な対応はした」と反論しています。
この裁判の判決が3月21日に言い渡されるのを前に、長男は会見で、「がんと診断されても一向に治療が始まらず、拘置所は父が死ぬのを待っているのではと思うときもあった。拘置所だからしかたないという判決が出ると、この先も同じような被害が出る。実態を明らかにして改善しなければならない」と述べました。
一方、メーカーの社長などが国や都を訴えた民事裁判では、東京地方裁判所が捜査の違法性を一部認め、双方ともに控訴しています。