「ぬるぬる」はぬめりがあって滑りやすいウナギやナマズなどに使われるオノマトペだが、新たな意味が加わったそうだ。三省堂国語辞典は「(動画・アニメなどの)動きが自然で自由自在なようす」と記す
▲用例は「人物をぬるぬる動かす」。テレビゲームやアニメのCG(コンピューターグラフィックス)画像に使われるらしい。違和感があるが、若い世代には定着しているのだろう
▲こちらも聞き慣れない言葉だが伝統的意味合いだ。「ぬるぬる地震」。プレート境界や地下の断層が大きな揺れをもたらさずにゆっくりずれ動く現象を指す。なめらかに滑る断層面を「ぬるぬる」と表現したらしい
▲「ゆっくり滑り」や「スロー地震」とも呼ばれる。専門家は「スロースリップ」の用語を使う。2月から続く千葉県東方沖の地震で国土地理院がスロースリップと推定される地殻変動を観測した。過去にも起きた多発地帯という
▲3年前に話題を呼んだテレビドラマ「日本沈没」で地震研究に命をささげる博士が海底地震計でスロースリップを観測していたのを思い出す。東日本大震災の前にも起きたとされ、巨大地震との関係が注目されている
▲能登半島での数年前からの群発地震でも大量の水が断層帯内に拡散し、スロースリップを誘発したという。ぬるぬるでは危機感が薄められるが、地表がバリバリと裂け、家屋がガラガラと音を立てて崩れるのが地震である。ぜひ、そのメカニズムを解き明かして将来的な地震予知に役立ててほしい。