キッチンカーで能登半島地震の被災者にボルシチを振る舞うウクライナ女性(右)=5日、石川県珠洲市
キッチンカーで能登半島地震の被災者にボルシチを振る舞うウクライナ女性(右)=5日、石川県珠洲市

 勤務先の東京都内で3連休唯一、晴れ間がのぞいた24日。代々木公園であった全国各地の魚介グルメが堪能できるイベント「魚ジャパンフェス」に出かけた▼計4日間の開催で約15万人が訪れたイベントはテントやキッチンカーの約80ブースがずらり。中国による輸入停止の影響を受けた北海道産ホタテが殻付きのまま網焼きになり、東日本大震災の復興支援が目的の福島県コーナーでは、ノドグロのあぶりや「常磐もの」と呼ばれるヒラメの漬けをぜいたくにのせた海鮮丼が存在感を放っていた▼収益の一部は能登半島地震の被災地に寄付される。「食べて応援」のうたい文句に共感する▼出店者には石川県七尾市で「能登かき」を養殖する生産者がいた。世界農業遺産に認定された七尾湾の豊富な栄養分を含んだカキは1~3月が旬。例年多くの売り上げが見込める時期に施設が地震被害を受け、廃業に追い込まれる生産者も出かねないという。過去に出店経験があり「おいしいカキを届けたい」と決意。クリーミーで濃厚な味わいの焼きガキは美味だった▼同じキッチンカー利用でもこちらは直接的な支援だ。「避難所にキッチンカーがやってきて、事前登録したシェフがイタリア料理のフルコースを振る舞う。ワインも出る」とイタリアの取り組みを26日の衆院予算委員会石破茂氏(衆院鳥取1区)が紹介した。被災地においしい料理が届くのを願う。(吏)