自民党は21日までに党の情報通信戦略調査会が「ネット上の誹謗中傷等に対応するための緊急提言」をまとめ、林芳正官房長官に提出したと発表した。しかし、SNSでは批判が殺到し、逆効果となっている。
党の公式サイトによると、提言では「社会的、経済的な理由により全ての国民が裁判を行うことができず裁判が被害者の救済手段とならない場合もあること」と「能登半島地震に伴い社会的な混乱をきたす偽・誤情報への対策が必要となっていること」を課題として指摘。具体的な制度整備を行うことを求めた。
しかし、X(旧ツイッター)では「まずは、あなた方の党の杉田水脈議員をどうにかしてくださいよ」「自民党に誹謗中傷の常習犯がいますが、その対策は何年も放置されてます」など、これまでアイヌ民族への差別的投稿や中傷投稿への「いいね」など、SNSで数々の問題を起こしている杉田水脈衆議院議員を名指しするコメントが相次いでいる。
このほか「裏金、脱税を責めるのは誹謗中傷じゃないですよね?」「誹謗中傷対策を騙り言論弾圧に来たな」「Dappiというものも存在しましたし、あなた達や支持者の手法が一番問題なのでは?」など、非難の声が集まっている。
ネット上の誹謗中傷等に対応するための緊急提言
情報通信戦略調査会は、2月20日、「ネット上の誹謗中傷等に対応するための緊急提言」をまとめ、林芳正官房長官に申し入れました。
これまで調査会の累次の提言によって、発信者情報開示に関するプロバイダ責任制限法の改正や、侮辱罪の法定刑引上げを含む刑法改正等を実現させてきました。しかし、ネット上の違法・有害情報の流通は大きな社会問題であり、その対策は急務となっています。
緊急提言では、社会的、経済的な理由により全ての国民が裁判を行うことができず裁判が被害者の救済手段とならない場合もあること、令和6年能登半島地震に伴い社会的な混乱をきたす偽・誤情報への対策が必要となっていること等を踏まえ、違法情報等の流通によって発生する権利侵害等への対処として具体的な制度整備を行うことを求めています。リテラシー教育の更なる充実、相談窓口の充実・強化といった被害者救済に関連した施策をきめ細かく求めています。
ネット上の誹謗中傷等に対応するための緊急提言
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