災害時に役立つ手話講座 府中で来月10日(2024年2月21日『読売新聞』)

避難所生活を想定


 災害時の避難所で、聴覚障害者とコミュニケーションを図るための手話講座が3月10日、府中市市民活動センタープラッツで開かれる。能登半島地震で、多くの住民が今も避難生活を余儀なくされていることも踏まえ、手話の普及に取り組む「デフリンクス手話協会」(港区)が企画した。

 同協会代表の中村藤乃さん(36)(府中市在住)が講師を務め、「地震が来たので逃げましょう」「物は持たなくても大丈夫」といった基本的フレーズのほか、避難所での生活を想定した「何かお手伝いしましょうか」「配食の時間は、何時から何時まで」といった手話表現を学ぶ。

 中村さんによると、耳の不自由な人は、火災でも消防車などのサイレン音が聞こえず、逃げ遅れが生じやすい。また、外見から聴覚障害者とわからないことがあるため、近隣住民から障害を認知されていないケースもあるという。

 講座では、災害時に役立つ基礎的な手話のほか、聴覚障害者の現状についても説明する。

 開催日は、東日本大震災から13年となる3月11日の前日でもあり、中村さんは「耳の聞こえない人に寄り添って、サポートする力を身に付けてほしい」と話している。

 午後2時~4時半。定員は30人程度。参加費無料。事前登録制で、「防災手話講座に申し込み希望」と記し、メール(support@deaf-links.jp)で申し込む。問い合わせは、同協会の大森さん(090・9304・9277)へ。