樋口恵子 残り少ない人生なのにみんな友達づきあいや親子関係に悩んでいて…人間関係の問題は<棚上げ方式>であの世にもっていこう(2024年2月21日)

 

◆棚上げ方式

一時的にすれ違っても、巡り巡ってお互い気持ちが寄り添う日が来ることもある。衝突して距離ができた人とも、再会を感謝できる日が来るかもしれない。

だとしたら、余生も短いのに、人に対してイヤな感情を持ったり、怒ったり恨んだりといったネガティブな感情を持ち続けているのはもったいない。

だから、恨みを忘れなくてもいいけれど、一時棚上げしてほかのことを一所懸命やろう。そう思い、「恨みつらみは棚上げ方式」を採用したのです。

皆さんも、これまで生きてきたなかで、憎たらしい人もいるだろうし、気が合わなかったり過去にトラブルになったりした相手がいるかもしれません。

でも残り少ない人生、マイナスの感情を抱き続けていては自分が損します。この際、恨みつらみはしばらく忘れて、楽しいことだけに目を向けませんか。

それでも気が済まなければ、「死んでから化けてやる」と、お化けになった自分を戯画化して想像してみては。

ちょっぴりふざけた気持ちでいると、そのうちネガティブな気持ちが薄れていきますよ。

※本稿は、『老いの上機嫌-90代! 笑う門には福来る』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

 

【関連記事】