志願者を増やし続けている明治大
私立大学入試も終盤を迎えている。夕刊フジでは大学通信の協力を得て、主要30校の出願状況を2月15日までの判明分で検証した。近畿大が11年連続首位をうかがう一方、明治大が最難関校への地位を固めつつあるという。大学の序列にも地殻変動が生じているのか。
志願者数が確定した大学では、4位の法政大が昨年より3117人増、15位の同志社大が1002人増、17位の青山学院大が3161人増、26位の上智大が3017人増とそれぞれ躍進した。
注目されるのは確定前の段階で昨年の最終志願者数を超えた3位の明治大だ。
大学通信情報調査・編集部の井沢秀部長は「明治大は3年連続で志願者数を増やし、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の枠組みを外れつつある。(私大最難関の)早慶上智に近づいているのかもしれない」とみる。
「日東駒専」では、不祥事に見舞われた日本大(9位)が集計時点で3万人以上も減らした一方、東洋大(5位)と専修大(16位)は確定前の段階で志願者数を伸ばした。「理系や芸術系などでは日大は依然強いが、文系学部では東洋や専修に流れている可能性も否定できない」(井沢氏)という。
2大都市圏以外の注目校は18位の名城大(名古屋市)。理系に強く、吉野彰終身教授・特別栄誉教授ら教員から3人のノーベル物理学賞受賞者が出ている。井沢氏は「受験生の意識も理系に向いていると思う。東海地方では南山大(同)に文系イメージがある一方、名城大は研究のイメージが強い」と解説する。
25年度から大学入学共通テストの新課程入試が始まる。大手予備校「河合塾」が昨秋、高校1~3年生500人を対象に実施した調査では、高校生の9割が不安を抱えているとの結果だった。
井沢氏は「浪人したくないので、併願数を増やしている傾向はあるかもしれない」と総括した。
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