「貧困ジャーナリズム大賞2023」はNHK精神医療報道と後藤秀典氏の『東京電力の変節』に(2024年2月20日)

 今回は大賞にNHK取材班(青山浩平、持丸彰子、真野修一の各氏)による「ETV特集」の「ルポ死亡退院~精神医療・闇の実態」と、ジャーナリスト・後藤秀典さんの書籍『東京電力の変節 最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』の2件が選ばれた。

 同賞は一般社団法人反貧困ネットワーク宇都宮健児代表理事)が、貧困問題についての正確かつ継続的な報道を行なったジャーナリストらを対象に2007年から毎年実施。

 今回「大賞」に輝いた「ETV特集」は看護職員らによる暴行や身体拘束などが日常化していた滝山病院(東京・八王子市)を取り上げ、生活保護行政もこの病院に頼る実態などを描いた。

選評では「取材班は日本の医療と福祉の『もたれあい』の構図をあぶり出した」と評価。真野さんは「できるだけ社会にインパクトを与える形で報道できたらと考えていたので、受賞は非常に励みになる。内部告発をしてくださった方々に感謝したい」と喜びを語った。