“性被害”描くも監督発言が物議の映画、公式サイトから“削除された一文”に「なぜ」「あまりにも……」(2024年7月6日『ねとらぼ』)

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監督発言物議の映画、公式サイトから削除された一文が波紋呼ぶ(画像は映画公式サイトから)
 7月5日から全国で公開されている映画「先生の白い嘘」をめぐり、公式サイト上に記載された映画についての説明文が一部削除されていたことが分かりました。
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公式サイトから削除された一文
あらすじの一文が削除されていた
 鳥飼茜さんの同名の漫画を原作とする作品は、「性被害」を題材に「性の不平等」を描いたストーリー。主演の高校教師・原美鈴役を俳優の奈緒さんが演じています。
 7月4日には映画の公開に先駆け、一部メディアが三木康一郎監督へのインタビュー記事を配信。その際、主演の奈緒さんが、性的なシーンなどがある場合に俳優と制作側の調整役を担うインティマシー・コーディネーターの起用を希望したものの、三木監督が起用を拒否したと説明したことが、物議をかもしていました。その後、5日の舞台あいさつでは三木監督が同件について謝罪したことが報じられています。
 さらに新たに波紋を呼んでいるのが、公式サイトに記載された内容に関する変更点です。公式サイトのあらすじでは、美鈴と風間俊介さん演じる早藤雅巳とのシーンについて「早藤を忌み嫌いながらも、快楽に溺れ、早藤の呼び出しに応じてしまう美鈴」との一文が記載されていました。しかし、6日までに「快楽に溺れ」という箇所が削除されています。6日18時現在、文章が変更された理由などについての公式なアナウンスはありません。
 このことについて、ネット上では「調べたら最初は出てくるのに、サイト内はないなって思っておかしいなって思ってた」「なぜ消したのかはっきりさせてくれ」「コメント出さずしれっと『快楽に溺れ』の部分を削除するのは、制作サイドはあまりにも不誠実では」といった意見が聞かれています。
 
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解説
男女間の性の格差を描いて反響を呼んだ鳥飼茜の同名漫画を実写映画化。自らの性に対して抱える矛盾した感情や、男女間に存在する性の格差に向き合う女性の姿を通して、人の根底にある醜さと美しさを描き出す。
 
 
高校教師の原美鈴は、女であることの不平等さを感じながらも、そのことから目を背けて生きている。そんなある日、親友の渕野美奈子から、早藤雅巳と婚約したことを告げられるが、早藤こそ美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた張本人だった。早藤を忌み嫌いながらも、彼との行為を通して性への欲望や快楽への渇望が芽生え、呼び出しに応じてしまう美鈴。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希から性の悩みを打ち明けられた彼女は、思わず本音を漏らしてしまう。新妻は自分に対して本音をさらけ出してくれた美鈴にひかれていくが……。
 
主人公の美鈴を奈緒が演じ、物語の鍵を握る男子生徒の新妻役を人気グループ「HiHi Jets」の猪狩蒼弥、親友の美奈子役を三吉彩花、美奈子の婚約者で表向きは人当たりの良いエリートサラリーマンだが、裏では女を見下し暴力をふるう早藤役を風間俊介が担当した。監督は「弱虫ペダル」「植物図鑑 運命の恋拾いました」の三木康一郎、脚本は「きのう何食べた?」「おかえりモネ」などのテレビドラマで高い評価を受ける安達奈緒子。( 映画.com)
 
2024年製作/117分/R15+/日本
配給:松竹ODS事業室/イノベーション推進部