西日本豪雨6年 被災地で献花式 倉敷と総社、復興への決意新た(2024年7月6日『山陽新聞』

 
倉敷市の献花式で犠牲者に祈りをささげる参列者=同市真備支所
倉敷市の献花式で犠牲者に祈りをささげる参列者=同市真備支所
西日本豪雨から6年となり、倉敷市の献花式で花を手向ける伊東市長=6日、市真備支所
西日本豪雨から6年となり、倉敷市の献花式で花を手向ける伊東市長=6日、市真備支所
 2018年7月の西日本豪雨発生から6年を迎えた6日、大規模な浸水被害で多くの住民が犠牲になった倉敷、総社市で、市主催の献花式が行われた。住民や遺族らが亡くなった人に祈りをささげ「思いをつなぎ、災害前より良い地域をつくる」と復興への決意を新たにした。

 災害関連死23人を含め75人が亡くなった倉敷市は、市真備支所(同市真備町箭田)に献花台を設置。午前9時の受け付け開始に合わせて伊東香織市長が「(治水対策が進み)真備の安全度は大きく向上した。今まで以上に良いまちになるよう、みんなで頑張るので、見守っていただきたい」と犠牲者を追悼し、祭壇に菊の花を手向けた。

 続いて地元住民らが一人ずつ花を供え、静かに黙とう。真備地区まちづくり推進協議会連絡会の野田俊明会長(76)は「復興は道半ば。被災を契機に真備を出た人たちが戻りたいと思える、活気あるまちをつくりたい」と語った。

 関連死を含め12人が犠牲になった総社市は、市役所玄関ホールに献花台を設けた。片岡聡一市長も参列し「6年前のことを教訓に備えを進め、住民の命を守りたい」と誓った。

 治水関連のハード事業の進展などを踏まえ、両市は毎年7月6日に行ってきた犠牲者の追悼式を今年から取りやめ、献花式に変更。式後、伊東市長は住民に相談して追悼の在り方を見直した経緯を説明し「追悼の気持ちに変わりはない。被災の記憶や教訓を後世に伝え、これからも真備に寄り添っていく」と話した。

 倉敷市は7日も献花台を設け、午前8時半から午後5時15分まで受け付ける。

 豪雨による死者は、災害関連死を含め岡山県95人、広島県が153人、愛媛県が33人など。

 伊原木隆太岡山県知事コメント 改めて犠牲になられた方々に哀悼の意を表し、被災地の方たちの復旧・復興への努力に感謝申し上げる。県では国や市町村と復旧・復興に取り組み、仮設住宅に入居していた全ての方が住まいの再建を果たし、小田川高梁川の改良復旧工事も完了した。5月には天皇皇后両陛下に倉敷市真備町をご訪問いただき、被災地が力強く復興している状況をご視察いただいた。被災者の心のケアについては、引き続き市町村などと連携して取り組んでいく。豪雨災害から得た教訓を生かし、より災害に強い岡山を実現していく。