米軍横田基地オスプレイが7カ月ぶり飛行再開 地元「許せない」 屋久島沖で墜落した事故機同型のCV22(2024年7月2日『東京新聞』)

 
 昨年11月に鹿児島県・屋久島沖で墜落事故を起こした米空軍輸送機CV22オスプレイと同型機が2日、米軍横田基地(東京都福生市など)で約7カ月ぶりに飛行を再開した。防衛省や市民団体への取材で分かった。
 防衛省北関東防衛局などによると、2日午前11時ごろ、横田基地から北方向にCV22が離陸し、青梅市など西回りのルートを飛行した後、同15分ごろに昭島市方向から着陸したという。
横田基地に配備されているCV22オスプレイ=5月18日、米軍横田基地で

横田基地に配備されているCV22オスプレイ=5月18日、米軍横田基地

 事故は昨年11月29日に発生。横田基地に配備されたCV22が岩国基地山口県)から嘉手納基地(沖縄県)に向かう途中で墜落し、搭乗員8人全員が死亡した。
 米軍は今年3月、オスプレイの飛行停止の解除を発表。同月には沖縄県海兵隊のMV22が飛行を再開したが、国内では横田基地のみに配備されている事故機と同型のCV22は、再開時期を調整していた。北関東防衛局によると、2021年までに横田基地には6機のCV22が配備されたが、事故後に5機となった。
 米空軍特殊作戦司令部は今年2月、事故原因について「物質的不具合が確認されたが、不具合の原因は分かっていない」とするコメントを発表している。
 横田基地の撤去を求める西多摩の会の奥富喜一代表(75)は「住民の命がかかっているのに事故のリスクを分かっていながら飛行再開させるのは許せない」と批判した。(松島京太、昆野夏子)