「都職員の多くは辞めてほしいと思っている」「都政新報」記者が語る小池都政2期目の“総決算”「トップダウンで、現場はやる気を失った」(2024年7月2日『SmartFLASH』)

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 終盤を迎えた東京都知事選で、3選を目指す小池百合子知事は、前参院議員の蓮舫氏や広島県安芸高田市前市長の石丸伸二氏を引き離し、リードを保っているとみられている。
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小池知事とそっくり!「AIゆりこ」
 一方、知事のお膝元である東京都の職員は、小池氏3選に冷ややかだという。「職員の多くは辞めてほしいと思っている」と語るのは、都職員向けに発行する「都政新報」の服部篤紀記者だ。
「これまで、小池知事の取材を続けてきてわかったのは、一般都民の受けはよくても、都職員にとっては評価できない知事だということです。
 たしかに2期目は、コロナ禍で国に先駆けて企業に協力金を出すなど、施策にスピード感があった。また、0歳~18歳の子供一人当たり5000円の支給といった一連の子育て支援を独自に進め、ばら撒きと批判されながらも、都民はありがたく感じていました」
 一方、都職員は『コロナかるた』や店舗に張り出す『協力金ステッカー』を作らされ、『こんなものがなぜ必要なのか。無駄な作業が増えた』と憤りを感じていました。
 それに子育て世帯への補助も、財源が豊富だからできるだけ。小池知事は財政改革を進めてきたと言っていますが、元知事の石原慎太郎氏の時に財政改革を徹底し、無駄を少なくしたおかげなんです。しかし将来的に財政難になった時、ばら撒き系の施策は首を絞めることになる。都職員はそれを不安視しています」
 加えて、就任時から指摘されてきた現場の声を聞かないトップダウン方式で、都職員はすっかりやる気を失っているという。
「『018サポート』も、正月の新年のあいさつで小池知事が突然言い出したものでした。担当職員すら知らない状態。小池知事は、自身のブレーンを顧問や参与という形で呼び寄せ、密室政治で物事を決めてきた。他部署との議論がないのです。
 各部の係長や課長代理は本来、現場の声を吸い上げ、ボトムアップで政策を作るのが仕事。ところが現在は、彼らは上から降ってくる政策を伝えるだけになってしまいました。小池知事の手法に疑問を抱く職員は多いのです」
 身内に募る不満に、小池氏はどう向き合うのか――。
 

立・国、「対共産」で衆院選連携に影 東京都知事選が火種に…玉木氏「立憲共産党の結果出る」(2024年7月2日『産経新聞』)
 
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東京都知事選を巡る主要野党の状況
次期衆院選での立憲民主、国民民主両党の連携の成否を巡り、共産党との関係をどう整理するかが波乱要素として浮上している。きっかけは7日に投開票される東京都知事選だ。立民が共産との「共闘」に突き進む一方、両党の支援組織である連合と国民民主は別陣営に回り、溝は深まりつつある。国民民主の玉木雄一郎代表は2日の記者会見で、衆院選に向けた「共産切り」を立民に促した。
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次期衆院選での「政党議席予測」(5月27日時点)
その苦言は問わず語りに飛び出した。会見で自民党総裁選に関する質問に応じていた玉木氏は、唐突に話題を変え、非自民連立政権構想「ミッション(使命)型内閣」を掲げる立民の泉健太代表に矛先を向けた。
「政権というものをどういう考え方で担うのか。少なくとも3つの基本政策については、考え方をすり合わせていく必要がある」
3つの基本政策とは、憲法、安全保障、エネルギー政策を指す。玉木氏はこれらに関する見解の一致を衆院選での協力の必須条件と位置づけており、政策面で溝がある共産との連携に傾く立民に対して苦々しい思いを抱いてきた。立民と国民民主の連携を後押しする連合も、共産とは「水と油」の関係にある。
都知事選では、国民民主都連と連合東京が無所属現職の小池百合子氏(71)を支持し、立民や共産は無所属新人で前参院議員の蓮舫氏(56)の支援に回っている。
玉木氏は会見で、都知事選が国政に与える影響として「『立憲共産党』といわれる、立民と共産が一体となってやるやり方がどうなのかということの結果が出る」と主張した。その上で、選挙後に「結果の検証」や将来の国政選挙への影響の分析が必要になるとの認識も示した。小池氏の先行を伝える世論調査結果を念頭に、共産との関係を見直すよう求めた格好だ。
一方で、立民は玉木氏の「提案」を受け流す構えを示す。岡田克也幹事長は2日の会見で「都知事選を真剣に戦っている最中だ。何を言われたのか分からないが、コメントするに値しない」と突き放した。
泉氏は最近、「基本政策」や共産との関係を巡る問題を意識した発信を重ねてきた。6月19日の党首討論では「現実路線で政権運営をしていきたい。外交も安全保障も経済もそうだ」とアピールし、同月13日のニッポン放送番組では、共産に関し「政権に入ることは想定はしていない」と明言した。衆院選に向けた国民民主などへのメッセージであることは明らかだ。