「県警本部長が犯罪隠ぺいした」情報漏えい容疑で逮捕の前県警生活安全部長「漏えい文書は告発」と主張…「意見陳述内容」詳しく掲載 鹿児島(2024年6月5日『MBC南日本放送』)

キャプチャ
鹿児島県警本部の前の生活安全部長だった元警視正が警察情報を漏えいした疑いで逮捕・送検された事件です。元警視正は5日、裁判所で開かれた勾留理由開示請求の手続きで意見陳述し、「野川明輝本部長が犯罪行為を隠蔽した」と述べ、守秘義務違反ではないと主張し、釈放を求めました。
キャプチャ
本田容疑者
キャプチャ2
 
この事件は、鹿児島県警の前の生活安全部長だった元警視正・本田尚志容疑者(60)が退職した直後の今年3月下旬、警察時代に入手した警察情報を第三者に郵送し、業務上知りえた秘密を漏らした国家公務員法違反の疑いで逮捕・送検されたものです。
本田容疑者は「逮捕・送検され、勾留されているのは不当」とし釈放するよう求めていて、鹿児島簡易裁判所で5日、勾留理由開示請求の手続きがありました。
意見陳述で本田容疑者は「警察情報をある記者に送ったことは間違いありません」と認めたうえで、「不祥事を明らかにし、警察によい組織になってもらいたかった」と述べました。
本田容疑者によると、当時、枕崎警察署の巡査部長が女子トイレで盗撮した事案について、生活安全部長として野川本部長に指揮伺いをしたところ、本部長は隠蔽しようとしたということです。そして、退職後も不祥事が公表されることがなかったことから、北海道の記者にほかの不祥事をまとめた文書を送ったということです。
本田容疑者の弁護側は、5日の勾留理由開示請求で裁判所に対し、「本田容疑者の行為は、警察官による犯罪行為の隠蔽を明らかにしようとした内部告発であって、守秘義務違反にはあたらない」と主張し、釈放するよう求めました。
■【前生活安全部長法廷での意見陳述内容(抜粋)】
「今回、職務上知り得た情報が書かれた書面を、とある記者の方にお送りしたことは間違いありません。
私がこのような行動をしたのは、鹿児島県警職員が行った犯罪行為を野川明輝本部長が隠蔽しようとしたことがあり、そのことが、いち警察官としてどうしても許せなかったからです。