米CBSテレビは30日、大統領選に向けた27日の討論会で低調に終わった民主党のバイデン大統領(81)について、認知機能が衰え大統領が務まらないと有権者の72%が回答したとの世論調査結果を発表した。調査は討論会後に実施された。9日時点の65%から7ポイント増え、高齢不安が加速していることが裏付けられた。
バイデン氏は共和党のトランプ前大統領(78)との約4年ぶりの直接対決となった討論会で声がかすれ、精彩を欠いた。衰えは隠せず、大統領としての資質を疑問視する声も出ており、民主党内で候補交代論が強まる可能性もある。
バイデン氏に大統領を務める十分な認知機能があると回答したのは27%にとどまった。トランプ氏には50%が認知機能があると答え、49%がないと回答した。
有権者の72%はバイデン氏は選挙戦を続けるべきではないと回答し、2月時点の63%から9ポイント上昇した。(共同)
秋のアメリカ大統領選挙に向けたテレビ討論会で、バイデン大統領の受け答えが安定さを欠き、波紋が広がるなか最新の世論調査で、7割以上が「バイデン氏は再選を目指すべきではない」と回答したことがわかりました。
先月27日に開かれたアメリカ大統領選挙の初めてのテレビ討論会で、バイデン大統領は声がかすれ、ことばに詰まる場面が目立つなど安定さを欠き、有力紙、ニューヨーク・タイムズが社説で選挙戦からの撤退を求めるなど、波紋が広がっています。
CBSテレビなどが、討論会の直後の2日間に有権者1100人余りを対象に行った世論調査によりますと、「バイデン氏は再選を目指すべきか」という質問に「目指すべきではない」と答えた人が72%にのぼり、ことし2月の時点より9ポイント増えました。
また、民主党支持層のあいだでも「再選を目指すべきではない」と回答した人が46%と半数近くにのぼりました。
ホワイトハウスによりますとバイデン大統領は30日の日曜日、ワシントン郊外のキャンプ・デービッド山荘で家族と過ごしています。
ただ、バイデン氏は、みずからの進退に関わる重要な決断を家族との時間を過ごしたあとに下してきたとされることから、さまざまな臆測を呼んでいます。
ペロシ元下院議長「一度の討論会で判断を下すべきではない」
与党・民主党内の一部から選挙戦からの撤退を求める声もあがるなか、党の重鎮らは30日、バイデン氏への支持を改めて表明しました。
このうち、CNNテレビに出演したペロシ元下院議長は「一度の討論会をもって判断を下すべきではない。大統領だったときの実績こそが問われる」と述べて、バイデン氏の立候補を支持する姿勢に変わりないことを強調しました。
NYタイムズ、バイデン氏に大統領選からの撤退を促す 討論会での「衰え」ぶりを受け(2024年6月29日『産経新聞』)
【アトランタ=大内清】11月の米大統領選に向けた1回目の候補者討論会から一夜明けた28日、リベラル系の米有力紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は社説で、民主党のバイデン大統領(81)は再選を諦めて選挙戦から撤退し、共和党のトランプ前大統領(78)に勝利できる候補者を改めて擁立するべきだと主張した。
高齢なバイデン氏の「衰え」が目立ち、討論会でも精彩を欠いたことが理由。民主党寄りの報道姿勢で知られる同紙が、バイデン氏の候補者としての適格性を否定したことで、正式に候補者指名が行われる8月の同党全国大会に向けて党内の「バイデン降ろし」が加速する可能性がある。
社説は、バイデン氏が討論会で自身の実績や2期目の政策をアピールしたり、トランプ氏の虚偽を含む挑発的な発言や過去の失政を追及したりすることができず、力の衰えをさらけ出したと指摘。民主主義の諸原則をないがしろにするトランプ氏の返り咲きを阻止するため、「バイデン氏が今できる最大の公的貢献は再選に向けた選挙戦から撤退すると発表することだ」と訴えた。
討論会でバイデン氏は言葉に詰まったり戸惑ったような表情を見せたりする場面が目立ち、主催のCNNテレビが放映後に行った視聴者対象の調査では、同氏への評価が急落していた。