選挙の街頭演説は、候補者の主張を直接聞くことができる大切な場だ。妨げる行為があれば、有権者の権利が損なわれる。
各陣営は、街頭演説の回数を減らしたり、事前告知を控えたりする対応を迫られた。
選挙運動の萎縮を招き、有権者も演説を聞く貴重な機会を奪われた。選挙の自由や公正さが脅かされかねない事態である。
警視庁は、告示日の行為は公選法違反の疑いがあるとして、つばさの党側に警告を出した。にもかかわらず、同様の言動は続いた。
国会でも取り上げられた。維新は、選挙の自由妨害罪に該当する行為を具体的に例示したうえで、法定刑を引き上げる公選法改正案を発表した。
ただ、規制が行き過ぎれば、選挙運動や言論の自由が制約される懸念がある。
選挙は民主政治の基盤である。候補者が政策を戦わせ、有権者が見定めて投票することが、あるべき姿だ。どのようにすれば、現行法でそのための環境を守ることができるのか。慎重な議論が求められる。