「下請けの構造を変えなきゃダメ」と小林健・東商会頭 賃上げの流れの中「大企業相手に価格交渉できない」(2024年5月9日『東京新聞』)

 
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―円安が進んでいる。中小企業への影響は。今後の政策対応はどうあるべきか。
 憂慮している。物価に影響しないわけがない。日本は輸入しかできないから。材料や電気・ガスなど(幅広く)影響を受ける。特に、中小は困っている。「何とかならないか」という声が聞こえてくる。
記者会見する東京商工会議所の小林健会頭

記者会見する東京商工会議所小林健会頭

 日本は急激な円安やインフレに弱い。通貨を安定させることは、日本のような国では生命線だと思う。為替介入も含めてやっていくのが国の経済政策や通貨政策の根本だ。
春闘の賃上げについて連合が5回目の集計を出した。
 5回目の集計では(平均賃上げ率が)5.17%。中小も4.66%で、前向きな動きが広がっている。問題は、中小が価格交渉できない構図。特にBtoB(企業間取引)の場合は、大企業に(販売価格を)たたかれる。下請けの構造にメスを入れなきゃダメだ。(9日・大島宏一郎)
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 東京23区の中小企業など会員数8万を超える東商の会頭定例会見を詳報し、東京の経済の今を伝えます。