企業・団体献金禁止や「連座制」に踏み込まず 自民、政治資金規正法改正案まとめる(2024年4月23日『東京新聞』)

 
自民党は23日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正の具体案を取りまとめた。公明党を含む与野党各党は既に具体案を示しており、26日に初開催される衆院政治改革特別委員会で改正に向けた議論が始まる。
自民党本部=東京・永田町で

自民党本部=東京・永田町で

◆議員本人の「確認書」添付を義務づけ

改正の具体案は、政治資金収支報告書選挙管理委員会に提出する際に議員本人の「確認書」を添付するよう義務づける仕組みを盛り込んだ。一方、立憲民主党などが主張する企業・団体献金政治資金パーティーの禁止、会計責任者だけでなく議員も処罰の対象とする「連座制」の導入には踏み込んでいない。
23日に自民党本部で開かれた党政治刷新本部(本部長・岸田文雄首相)の作業部会会合で具体案が示され、了承された。議員が必要な確認をせずに確認書を添付し、会計責任者が不記載や虚偽記載で処罰された場合は、議員本人にも刑罰を科すようにする。不記載や虚偽記載が悪質だった場合に相当額を没収する制度も導入する。
自民、公明両党は24日、法改正についての与党協議を行う。26日の衆院政治改革特別委では、与野党各党による意見表明がある。
自民党は、党としての具体案を示さないまま公明党との与党協議を開始。「与党案」をまとめる方針だったが、公明を含む各党から自民案の提示を求められていた。(宮尾幹成)