乙武洋匡氏は実質的に都民ファーストの候補…自民は、公明はどう動く?衆院東京15区は4月16日告示(2024年4月9日『東京新聞』)

 
 衆院東京15区(江東区補欠選挙(16日告示)で、作家で新人の乙武洋匡氏(48)が8日、区内で出馬会見を開き、無所属で立候補する意向を表明した。乙武氏は、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党都民ファーストの会」が国政進出を目指して設立した「ファーストの会」副代表。都民ファーストの会乙武氏を擁立することで、初めての事実上の国政議席獲得を目指す。ただ、告示が来週に迫る中で、思い描いていた各党による支援体制は固まっていない。

◆まるで「公認候補」のようなポスターだが…「無所属」と説明

 東京都江東区内で8日に開かれた会見。乙武氏は「無所属」で出馬するとしつつも、小池知事とのポスターを背に「知事が進めてきた政策も、日本大改革ということで全国に広げていきたい」と知事との関係を強調した。
乙武洋匡氏と小池百合子都知事が並ぶポスター

乙武洋匡氏と小池百合子都知事が並ぶポスター

 都民ファにとって国政挑戦は2度目。初戦は2022年の参院選で当時の代表だった荒木千陽氏の出馬だった。結果は当選ラインを大きく下回る10位で、惨敗に終わった。
 今回の衆院東京15区補選に向け、都民ファは当初、「保守系の大きなかたまりをつくる」(幹部)と、自公や国民民主党との連携を想定していた。

◆自民は「推薦」方針だが…公明も国民民主も冷ややか

 自民は推薦方針を示したが、「政治とカネ」の逆風に苦しむ上に、地元からは乙武氏支援に反発がある。小池知事と関係が近いとされる公明は方針を明らかにしていないが、過去に報じられた女性問題を念頭に党本部からは「非常に厳しい」との声が上がる。国民民主幹部も「自民が推薦を出すような人は応援できない」と突き放す。
 支援の枠組みが見えない中、乙武氏は会見で「政策を見てご賛同いただけるようであれば。待ちの姿勢で臨みたい」と平常心を強調してみせた。(渡辺真由子)
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 東京15区には他に、日本維新の会の新人金沢結衣氏(33)、参政党の新人吉川里奈氏(36)、政治団体「日本保守党」の新人飯山陽氏(48)、元自民党衆院議員の秋元司氏(52)、元格闘家で参院議員の新人須藤元気氏(46)、立憲民主党新人の元江東区酒井菜摘氏(37)が出馬表明している。共産党は新人小堤東氏(34)の擁立を取り下げ、立民の酒井氏の支援に回る。
 

酒井菜摘氏