平和と憲法 守る象徴に 府中に「9条の碑」 都内2カ所目(2024年5月8日『東京新聞』)

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除幕されたアヒルを抱いた女性のブロンズ像=いずれも府中市
 
 憲法9条を守る運動の象徴とする「9条の碑・府中」の除幕式が7日、東京都府中市南町6で開かれた。建立した市民団体「三多摩初の『9条の碑』を府中につくる会」によると、同様の碑は国内では37カ所目、都内では足立区に次いで2カ所目という。(宮本隆康)
 
 つくる会は2022年秋、府中市で「反核・平和、環境保全、福祉」を掲げ「けやき平和チャリティコンサート」を毎年開いているメンバーらで発足。コンサートが40周年の節目を迎え、改憲の動きもあるため、碑の建立を計画した。
 募金活動で費用を募り、約800の個人と団体から約1千万円が寄せられた。建立の場所は、福祉施設を運営する女性が自宅敷地のうち約50平方メートルを提供。「9条ぷちパークfuchu」と名付けられた。
 碑は、アヒルを抱いた女性の高さ約2メートルのブロンズ像と、条文碑で構成。地元の彫刻家で青山学院女子短大名誉教授の久保制一さんが制作した。平和を象徴するハトではなくアヒルにしたのは「あえて飛べない鳥を選び、一歩ずつ自分で歩いて平和を築くという意味を込めた」という。
 
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憲法9条の条文が刻まれた碑
 
 条文碑には、憲法9条の条文と「第2次世界大戦後に日本が外国と戦争をしていないのは、憲法、特に9条があったから」などの文章が刻まれた。
 除幕式には、会のメンバーや寄付をした人など100人以上が出席。会顧問のジャーナリスト伊藤千尋さんはあいさつで、各地の同様の碑は市民運動で建てられたことから「文化運動からできたのは初めて」と指摘した。ピアニストで会の共同代表の斉藤寿美代さんは「碑ができた以上、これから何をするかが大事」と呼びかけた。
 
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peace on earth
ー9条の平和の心をカタチにー
久保制一 制作
ブロンズ鋳造・御影石 
216h x 70w x 70d/cm
 
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9条の条文レリーフ(photo/ブロンズ部分)  
ブロンズ+御影石
久保制一 2024 
121h x 105w x 45d/cm
 
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東京で初めての「九条の碑」完成!2022/12/10