①NHK番組ネタドリ、事業者インタビュー報道への波紋
②ロッシェル・カップが書いたダイヤモンド・オンライン記事
③4/12「SDGsに反する神宮外苑再開発に抗議する」伊藤忠への抗議アクション
①NHK番組ネタドリ、事業者インタビュー報道への波紋
4/5日の夜、NHK番組「首都圏情報ネタドリ」で事業者が初めて応じたインタビューを含め、神宮外苑再開発についての報道がありました。
4/12日19:57まで「NHK＋」で録画を視聴できます：https://t.co/IDXHUY2yWU
サマリー記事はこちらで読めます：https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20240405a.html
番組の前半では、三井不動産の取締役と東京都の都市整備局担当者のインタビューがあり、再開発は施設の老朽化、内苑の護持、というあいかわらずの理屈を繰り返しましたが、彼らの表情には自信も余裕も感じられず、共感できるような説得力はありませんでした。
後半では、計画を成立させた「公園まちづくり制度」の問題点、計画進行プロセスへの疑問、住民参加を可能にしたフランスのコンセルタシオン制度の紹介もあって、ある程度バランスをとっている内容でした。
しかし、翌日のNHKの7時のニュースで流された短縮版のヴァージョンが、事業者のインタビューと再開発を肯定する意見だけを切り取った、偏った内容に作り変えられていたのは非常に残念で、失望しました。
こちらで録画を視聴できます：https://t.co/Sfx1V2Dffq
今回のNHKの番組について、都市計画の専門家である大方潤一郎先生が問題点を指摘した意見を以下に引用します。
番組内で、この事業の事業費は、すべて保留床処分金で賄うという指摘がありましたが、そもそも、この事業は、第１種市街地再開発事業なのですから、事業費は基本的に保留床処分金で賄うのが基本です。そのことを、あえて強調することで、三井不やNHKは、何をいいたいのか、よくわかりません。この事業には補助金が一切入らないということをいいたいのでしょうか。きちんとした解説を加えないと、保留床処分金を負担するのは三井不動産だけで、明治神宮やJSC、伊藤忠にとっては、タダで新しい施設が建つかのように、視聴者が誤解してしまうのではないでしょうか。
この再開発事業では、コメント欄に示した別表のように、再開発事業地区内の地権者である明治神宮、JSC、伊藤忠が、それぞれの建物を自分の土地に個別に建てることになっていて、その建物の床のかなりの部分を各々が保留床として買い取る計画になっているわけです。JSCの土地や、明治神宮の土地の一部は、地区計画による容積率移転によって、指定容積率が下がるので、それだけ土地の価値が下がり（一方、容積率を移転した先の伊藤忠の土地や三井の複合棟Aの敷地は価値が上がる）ので、JSCや明治神宮は、自分の土地の価値が低下した分を、権利床（つまり保留床として買い取らなくてもいい、タダで取得できる床）として受け取ることができるわけです（その権利床の建設にかかる費用は、価値が上がった土地の所有者が、その上がった価値に相当する金額を、土地についての保留床処分金として負担するわけです）。
さて、別表では、明治神宮は、新野球場の床・約92,890㎡のうち約52,370㎡を、保留床として、約245億円で買い取ることになっているわけですが、このお金をどうやって工面するのでしょうか。おそらく、三井不動産が（都による都市計画変更で、都市計画公園区域から外してもらい、かつ容積率移転も受けた明治神宮の所有地内に）建てて運営する超高層オフィスビルや、その他の明治神宮の所有地に建てて運営するホテルや商業施設などの土地の地代（借地料）で賄うつもりなのでしょう。明治神宮に、三井不動産の超高層ビル等の多額の地代が入るということは、今回のインタビューでメディアに対して初めて明らかにされたように思います。この点については、大いに評価したいと思います。
②ロッシェル・カップが書いたダイヤモンド・オンライン記事
NHKの番組が放送される前日の4/4日に、私（ロッシェル・カップ）が書いた記事、
「神宮外苑の再開発、日本人ではない私が懸念する理由…無視できない疑念と横暴の数々」https://diamond.jp/articles/-/341423がダイヤモンド・オンラインに公開されました。
これまでの神宮外苑再開発の問題点を要約してまとめ、その根底にあるものは何かを
追及したものです。是非、NHKの番組と合わせて読んで欲しいと思います。
そして多くの皆さんに拡散してください。
③4/12「SDGsに反する神宮外苑再開発に抗議する」伊藤忠への抗議アクション
4/12（金）市民グループの呼びかけで、伊藤忠本社前での抗議アクションがあります。皆さん、参加しましょう。
【SDGsに反する神宮外苑再開発に抗議する】
すでに工事が始まっている神宮外苑に奇妙な事業者の広告が貼り出されています。
その開発後のイメージ図に描かれた人物がすべて「白人」なのは、人種差別的だと非難する声がSNSなどで広がっています。
神宮外苑の再開発事業者である伊藤忠商事、三井不動産はSDGｓを企業理念に掲げていますが、このような差別的な広告だけではなく、樹木伐採、スクラップ＆ビルドによる廃棄物・CO2排出、環境破壊など多くの問題を抱えた事業がSDGsに沿ったものといえるでしょうか？
うわべだけの言葉に過ぎないものであってはならないはずです。
ついては、4月12日（金）17時30分～18時30分頃に神宮外苑の伊藤忠商事東京本社前でスタンディング抗議を行います。ゲストには環境活動家でモデルの小野りりあんさんをお呼びして、一緒に声を上げます。どなたでも気楽に参加できます。
皆様の参加をお待ちしています。
日時：4月12日（金）17:30~18:30頃
場所：伊藤忠商事東京本社前
地図：https://maps.app.goo.gl/Wfzw4CFdfBhvaNfCA
持ち物：神宮外苑再開発への抗議のプラカードなど
facebookイベントページ：https://fb.me/e/231aYLkFe
主催：子どもたちの笑顔をつくる神宮外苑を考える会
https://www.facebook.com/groups/943992763690611/
osawa.satoru@gmail.com（大澤）
