小まめに耳掃除をすると外耳炎のリスク増
Q.そもそも、耳あかがたまるのはなぜなのでしょうか。
瀬尾さん「耳あかは汚いと思われるかもしれませんが、実は耳あかには、外からやってくるほこりや汚れなどを吸着し、耳の中に異物が入るのを防ぐ役割があります。
耳あかは『耳垢(あか)腺』という分泌腺から出される分泌物と剥がれ落ちた皮膚の一部のほか、外部からやってきたほこりや小さなゴミなどが混ざり合ってできたものです。遺伝によって、乾いた耳あかと湿った耳あかの人がいますが、日本人は乾いた耳あかが出る人が多いといわれています」
Q.耳の溝にあかがたまりやすいときは、どうすれば良いのでしょうか。
瀬尾さん「乾いた耳あかの場合は自然に排出されることが多いのですが、湿った耳あかの場合は綿棒などで定期的に掃除をする必要があります。
ただ、先述のように、耳あかには外部から来た異物をキャッチしたり、皮膚を守ったりする作用があるため、頻繁に耳掃除を行うのはお勧めできません。
湿った耳あかの場合でも、2週間から1カ月程度の期間を空けて掃除をする程度で十分です」
Q.耳掃除をしすぎたり、耳あかを放置してしまったりすることで病気になることはありますか。
瀬尾さん「頻繁に耳掃除をしたり、耳掃除をしている際に内部を傷つけてしまったりすることで、外耳炎などの細菌感染が起こりやすくなってしまいます。また、耳あかが耳の内部を完全にふさいでしまうと、『耳垢栓塞(じこうせんそく)』といって、耳の聞こえが悪くなったり、閉塞(へいそく)感を覚えたり、耳鳴りなどの症状が現れたりすることがあります。
耳あかで耳がふさがれてしまった場合、耳あかを自力で取り除くことが難しいため、医療機関を受診し、取り除いてもらうことをお勧めします」
* * *
汚いという印象が強い耳あかですが、実は耳を守るために必要なものであることが分かりました。必要以上に耳掃除をしてしまうと、耳を傷つけるリスクが高まるため、注意が必要です。耳掃除が必要な場合は、綿棒などの柔らかい物を使い、やさしく行いましょう。
オトナンサー編集部