尊富士、前人未到のスピードV 初土俵から所要10場所(2024年3月24日『産経新聞』)

 
優勝し、パレードでバンザイする尊富士。旗手は錦富士=エディオンアリーナ大阪(林俊志撮影)

大相撲春場所千秋楽は24日、エディオンアリーナ大阪で行われ、新入幕で東前頭17枚目の尊富士が13勝2敗で初優勝を果たした。初土俵から所要10場所の制覇は最速。現行の優勝制度が確立した明治42年夏場所以降では、大正3年夏場所の両国以来110年ぶりの新入幕優勝となった。

前人未到のスピード優勝だ。日本相撲協会によると、尊富士の初土俵から所要10場所での初優勝は、優勝制度が定められた明治42年夏場所以降では、両国の11場所を上回る最速記録となった。相撲協会広報部によると、大いちょうが結えない、ちょんまげの力士の優勝は過去にないという。

尊富士は付け出し資格を持たず、序ノ口から番付を上げてきた。同様の貴花田朝青龍といった後の横綱でさえ、初優勝まで24場所を要したことを考えれば、いかに速い記録かが分かる。

新入幕力士の優勝は、第一次世界大戦が勃発した110年前に遡(さかのぼ)らなければならない。大正3年夏場所の両国だ。東前頭14枚目だった両国は9勝1休の成績で優勝したが、当時は年2場所しかなく、1場所も10日制と今とは大きく異なっていた。

尊富士は2場所前はまだ幕下で、先場所、新十両で優勝。十両を1場所で通過して幕内に昇進したばかりだった。先場所は部屋の兄弟子である横綱照ノ富士の優勝パレードで旗手を務めており、今度は主役として、2場所続けてオープンカーに乗った。

 

ヒップホップファン ディフューザー探しがマイブーム 快挙の尊富士豪ノ山を押し倒しで破る