衆院3補選の投票始まる 激戦の東京15区補選、投票率は? 期日前と午前9時は前回を下回る(2024年4月28日『東京新聞』)

 
衆院東京15区、島根1区、長崎3区の補欠選挙は28日、投開票が行われる。裏金事件で逆風の自民党は、東京15区と長崎3区では選挙区事情もあって候補者を擁立できなかった。島根1区の勝敗が岸田文雄首相の進退に影響する可能性がある。
一方、自民党が「不戦敗」となった東京15区と長崎3区では、立憲民主党日本維新の会がそれぞれ公認候補を擁立。次期衆院選に向け、どちらか政権交代の受け皿としてふさわしいかの主導権争いを演じている。

◆東京15区は「非自公」9人の大激戦

東京15区(江東区)では午前7時から、57カ所の投票所で投票が始まった。投票は午後8時までで、8時50分から開票作業が行われる。
立候補しているのは、新人と元職の計9人(記事の最後に候補者を紹介しています)。注目を集めるのが投票率だ。
当日有権者は43万285人。午前9時段階の投票率は1・33%で、前回21年10月の衆院選投票率58・73%)の2・47%を 1・14ポイント下回っている。期日前投票をした人も5万6169人で、前回の8万1730人より2万5561人少ない。
東京15区では投票率を左右する3つの要素が指摘されている。
裏金事件の影響などから、自民党は候補者擁立を見送った。公明党も誰を支援するかの態度を明らかにしておらず、自公支持層が投票に行くかどうかが投票率に影響する。
江東区では、有権者の選挙疲れも指摘される。昨年4月の区長選の後、12月には前区長の公職選挙法違反事件を受けた辞職による区長選が行われた。そして今回の補選は、この事件に絡んだ柿沢未途前法務副大臣自民党を離党)の議員辞職に伴って行われる。
投票がある28日は、ゴールデンウイークの3連休の中日でもあり、有権者の足が投票所から遠のく可能性もある。

◆島根1区は与野党一騎打ち、長崎3区は野党対決

島根1区補選は、自民党細田博之衆院議長の死去に伴い実施されている。自民新人の錦織功政氏(55)と立民元職の亀井亜紀子氏(58)の争いだ。今回の3補選で唯一、与野党一騎打ちの構図となった。
長崎3区補選は、裏金事件で安倍派の谷川弥一氏(自民党を離党)が議員辞職したことに伴う。立民前職の山田勝彦氏(44)と維新新人の井上翔一朗氏(40)による「野党対決」となった。
東京15区に立候補したのは次の9氏(届け出順)

諸派NHKから国民を守る党」新人の弁護士福永活也氏(43)
・無所属新人でファーストの会副代表の乙武洋匡氏(48)=国民民主、ファーストの会推薦
・参政党新人の看護師吉川里奈氏(36)
・無所属元職の元環境副大臣秋元司氏(52)
日本維新の会新人の元江崎グリコ社員金沢結衣氏(33)=教育無償化を実現する会推薦
諸派「つばさの党」新人でIT会社経営の根本良輔氏(29)
立憲民主党新人で共産、社民党の支援を受ける元江東区議の酒井菜摘氏(37)
諸派「日本保守党」新人で麗沢大客員教授の飯山陽氏(48)
・無所属新人の元総合格闘家須藤元気氏(46)