防衛省、訓練場以外の用途変更視野に見直し検討 沖縄・うるま陸自訓練場新設計画(2024年3月3日『産経新聞』)

新設される陸自訓練場の候補地となっているゴルフ場跡地=2月29日、沖縄県うるま市(大竹直樹撮影)

沖縄県うるま市のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を新設する防衛省の計画を巡り、防衛省が訓練場以外の用途変更も視野に検討していることが3日、同省関係者への取材で分かった。玉城デニー知事や県議会与党会派のほか政権与党の自民党沖縄県連も白紙撤回を求めるなど反発が強まっていることから、土地利用の在り方を改めて見直すことにしたもようだ。

訓練場は陸自第15旅団(那覇市)の師団格上げによる人員増加に伴い新設が計画され、うるま市の県立石川青少年の家に隣接するゴルフ場跡地(約20ヘクタール)で整備が予定されている。

師団への格上げで現在の1個普通科連隊を2個連隊とし、現行の約2500人から3千人規模へと拡大。防衛省は災害時の人命救助や夜間偵察などの訓練で活用する考えで、令和6年度中に土地を取得し、8年度の着工を目指している。

防衛省関係者によると、計画の見直しを進める一方、ゴルフ場跡地の用地取得は断念しておらず、再検討の結果、現行の計画を維持する可能性もあるとしている。

陸自第15旅団の師団化

那覇市に司令部を置く陸上自衛隊第15旅団を師団に格上げして部隊を増強する計画。台湾有事などに備えた南西地域の防衛体制強化の一環で、防衛省は令和8年度に改編する方向で調整している。司令官も陸将補から陸将に格上げされ、沖縄県に司令部を置く米海兵隊第3海兵遠征軍(ⅢMEF)の司令官(中将)と階級を同格とすることで、より密接な連携を図るとしている。

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