「参院政倫審」を初開催 世耕弘成氏ら自民議員32人の不記載は「政治への信頼損ねる」と野党が指摘(2024年2月27日『東京新聞』)

参院は27日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて政治倫理審査会を開いた。野党側が、政治資金収支報告書への不記載があった自民議員ら32人の審査を申し立てた趣旨を説明した。参院での政倫審の開催は1985年の設置以来初めて。
 審査を求められたのは、安倍派の世耕弘成参院幹事長ら31人と、立件されて自民を離党した大野泰正参院議員の計32人。
参院政治倫理審査会で趣旨説明する立憲民主党の吉川沙織氏(右から2人目)

参院政治倫理審査会で趣旨説明する立憲民主党の吉川沙織氏(右から2人目)

 野党側幹事の吉川沙織氏(立憲民主党)は趣旨説明で「対象議員は進んで出席し、経緯と使途などを説明し、政治的、道義的責任を明らかにすることを要求する」と訴えた。与党側幹事の佐藤正久氏(自民)は終了後、記者団に「各議員の意向確認をして、どういう形で審査を進めていくかを考えたい」と語った。
 この日の政倫審の傍聴は議員と報道関係者に限られ、公開されたのは趣旨説明のみ10分弱。参院事務局がインターネットで中継したが、政倫審の規程に基づき事後公開はしない方針。吉川氏は「(自民側が)説明責任を果たすというのであれば公開していくべきだ」と語った。(我那覇圭、山口哲人)